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沖縄県高校生バス通学費等支援事業(バス通学費の無料化)の対象者や申請方法について


沖縄県では,意欲ある生徒が安心して教育を受けられるよう,住民税所得割非課税世帯の高校生等を対象にバス通学費の支援(バス通学費の無料化)が受けられます。

ここでは,「沖縄県高校生バス通学費等支援事業」の申請方法などについて紹介しています。



誰一人取り残さない未来へ

事業の概要

沖縄県のバス通学費の支援は素晴らしい事業だと思います。この政策について,沖縄県知事である玉城デニーさんの著書『新時代沖縄の挑戦』に次のようにありました。

誰一人取り残さない社会の実現に向けて,子どもの貧困対策は沖縄県性の最重要政策,最重要課題です。通学のバス代を稼ぐためにアルバイトしないといけない。そういう環境の子どもたちが非常に多いのです。そういう子どもたちのために,住民税所得割非課税世帯の子どもたちを対象に,高校生のバス通学費を無料化しました。長距離を通学している中学生に対しても,2021年度から,住民税所得割非課税世帯を対象に無料化を実施しています。

また,「誰一人取り残さない」のきっかけのひとつの例として,デニーさんが高校時代にやっていたバンドの練習時のエピソードがあげられています。

練習はほぼ毎日です。ただ,高校から練習場所のある沖縄市まで往復するバス賃がありませんでした。困った私を見て,帰り道はメンバーがバイクで送ってくれました。休憩時間にはメンバー4人でコーラとお菓子を食べながら,おしゃべりします。そんな時も「デニーはお金がないからいいよ。(コーラとお菓子代は)俺たちが出すよ」と言ってくれました。「申し訳ないなぁ」と思いつつも,彼らの優しさを受け止めました。これは一例ですが,そうやってずっと支えられていたという気持ち,感謝の気持ちが今もあります。こういう経験が,その後の私の「誰一人取り残さない」という信条につながったのだと思っています。

政治のことなので全員が同じ意見にはなりませんが,だからこそ自分の意見だけが正しいとは思わず,いろいろな人の立場を考えることが大切なのだと思います。

さて,本題に戻ります。

バス通学費の支援が受けられる対象者

バス通学費の支援が受けられる対象者

次の①と②の要件をすべて満たしている方が対象となります。

① 次のア~ウのいずれかに該当する世帯

  • ア 令和4年度の「県民税」と「市町村民税」所得割の非課税世帯
  • イ 児童扶養手当または母子及び父子家庭等医療費助成受給世帯
  • ウ 離職等の家計急変により ア と同程度の収入状況と見込まれる世帯

② 沖縄県内の県立高校,県立中学校,国立沖縄高専,私立高校,私立中学校に入学する生徒

利用できるバス会社

利用できるバス会社

申請区間(自宅から学校まで)で利用可能なオキカ(高速バスの場合は回数券)が交付されます。

  • 琉球バス交通
  • 那覇バス
  • 沖縄バス
  • 東陽バス
  • 沖縄都市モノレール(ゆいレール)

以下のバス会社は,申請区間(自宅から学校まで)で利用可能な利用券が交付されます。

  • やんばる急行バス
  • 平安座総合開発
  • 国頭村営バス
  • 宮古協栄バス
  • 八千代バス・タクシー
  • 共和バス
  • 東運輸
  • 久米島町営バス

バスの乗り継ぎ,バスとモノレールの併用も可能です。また,土日や祝日でも無料で利用できます。ただし,申請時と異なる区間では運賃が発生するので,注意しましょう。

どのバスに乗ればいいかわからない方は,「のりものNAVI」や「Google マップ」で調べることができます。

申請期間

申請期間

入学前申請の期間は,令和5年2月8日〜3月3日です。申請すると,3月14日頃までにメール等で連絡が来ます。申請内容に不備がなければ,4月に学校経由でオキカ等が交付されます。

  • 令和5年2月8日〜3月3日:4月に学校経由で交付
  • 令和5年3月4日〜4月6日:5月以降に学校経由で交付

入学式以降に申請する場合は,学校に申請します。

申請方法

申請方法

申請方法は,「電子申請システム」と「郵送」の2種類があります。

電子申請システムを利用する

  1. 沖縄県電子申請システム」にアクセスする
  2. メールアドレスの確認をする
  3. 内容を入力する
  4. 申込みをする

※電子申請システムでの申請は,4月6日までになります。

郵送で提出する

  1. 必要書類を揃える
  2. 郵送する

必要書類は次の2種類があります。

①バス・モノレール通学費支援事業認定申請書(←リンク切れ)
②下記の書類のうち,いずれか1つ
・令和4年度課税証明書または非課税証明書(写可)
・「児童扶養手当証書(写)」または「母子及び父子家庭等医療費助成金受給資格者証(写)」
・家計急変に係る世帯の収入状況等を証明する書類一式

提出先は,以下になります。

【国公立高校等】
〒900-8571
那覇市泉﨑 1-2-2 沖縄県教育支援課

【私立高校等】
〒900-8570
那覇市泉﨑 1-2-2 沖縄県総務私学課

交付後に必要な「利用実績報告」

バス通学費の支援を受ける方は,毎月の利用実績について,翌月3日(休日の場合は次の平日)までに「利用実績報告」をする必要があります。利用実績報告といっても不安になる必要はありません。利用者名や連絡先,利用実績(日付や利用の有無など)などを記入して提出しましょう。

沖縄県高校生バス通学費等支援事業は,県の支援事業のため,「不正が起きないように定期的に報告しましょう」という意味合いで捉えると良いでしょう。

まとめ

沖縄県高校生バス通学費等支援事業は,これからの未来を担う中学生・高校生が安心して教育を受けられるための制度です。対象となる保護者の方は,ぜひ申請をしましょう。

  • 対象者:住民税所得割非課税世帯の高校生等
  • 申請期間:令和5年2月8日〜3月3日
  • 申請方法:電子申請システム,郵送

参考:沖縄県中高校生バス通学費等支援事業

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