沖縄県のくるみん認定・プラチナくるみん・トライくるみん企業まとめ

くるみん認定は，一般事業主行動計画の策定・届出を行った企業のうち、一定の基準を満たした場合に認定されるものです。認定を受けた企業は、厚生労働大臣が定める認定マーク「くるみん」「プラチナくるみん」「トライくるみん」を商品等に付することができます。

ここでは，「くるみん認定」や「プラチナくるみん認定」，「トライくるみん認定」，そして沖縄県でくるみん認定されている企業を一覧でまとめています。

くるみん認定を規定する次世代育成支援対策推進法について

目的

次世代育成支援対策推進法は，急速な少子化の進行と家庭及び地域を取り巻く環境の変化にかんがみ，次世代育成支援対策に関し，基本理念を定め，国・地方公共団体・事業主・国民の責務を明らかにするとともに，次世代育成支援対策を推進するために必要な事項を定めています（令和7年3月31日までの時限立法）。

事業主・国民の責務

事業主は，雇用する労働者に係る多様な労働条件の整備，労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために必要な雇用環境の整備を行うことにより，自ら次世代育成支援対策を実施するよう努めるとともに、国・地方公共団体が講ずる次世代育成支援対策に協力しなければならないとされています。

また，国民も次世代育成支援対策の重要性に対する関心と理解を深めるとともに，国・地方公共団体が講ずる次世代育成支援対策に協力しなければならないとされています。

一般事業主行動計画

常時雇用する労働者の数が100人を超える国及び地方公共団体以外の事業主（一般事業主）は，事業主行動計画策定指針に即して，一般事業主行動計画を定め，厚生労働大臣に届け出なければなりません。常時雇用する労働者の数が100人以下のものは，厚生労働大臣に届け出るよう努めなければなりません。

• 労働者の数が100人超の事業主　：届け出なければならない
• 労働者の数が100人以下の事業主：届け出るよう努めなければならない

参考：次世代育成支援対策推進法

くるみん認定・プラチナくるみん認定・トライくるみん認定の基準

一般事業主行動計画の策定・届出を行った企業のうち，計画に定めた目標を達成し，一定の基準を満たした企業は，厚生労働大臣の認定（くるみん認定）を受けることができます。

くるみん認定を受けた企業のうち，相当程度両立支援の制度の導入や利用が進み、高い水準の取組を行っている企業は「プラチナくるみん認定」を受けることができます。

また，くるみん認定・プラチナくるみん認定の認定基準が引き上げられたことに伴い，「トライくるみん認定」が創設されました。文章だと少し難しく感じますが，令和4年改正によってくるみん認定をされるハードルが上がったため，令和4年改正前の基準をクリアすれば「トライくるみん認定」（＝try）を受けることができるということです。

主な認定基準をまとめました。

男性労働者の休暇制度等利用率は，男性労働者の育児休業等取得率と企業独自の育児を目的とした休暇制度利用率を合わせたものです。

表にするとわかりますが，これまで男性労働者が育児休暇を取るのは少数だったため，「改正前くるみん」では，育児休暇等取得率の認定基準が「7%」と低く設定されていました。しかし，近年は男性労働者が育児休暇を取ることがそれほど珍しくなくなってきたため，改正法のくるみんでは，育児休暇等取得率の認定基準が「10%」と引き上げられています。

なお，改正法では，当該男性労働者の数を厚生労働省のウェブサイト「両立支援のひろば」で公表する必要があります。

くるみん認定のメリットと意味

企業側①：認定の表示

くるみん認定，プラチナくるみん認定，トライくるみん認定を受けた事業主は，厚生労働大臣が定める認定マークを商品等に付すことができます。

企業側②：くるみん助成金

くるみん認定，プラチナくるみん認定を受けた常時雇用する労働者が300人以下の中小企業は，上限50万円の「くるみん助成金」が受けられます（令和9年3月まで）。

企業側③：公共調達における優遇措置

くるみん認定，プラチナくるみん認定，トライくるみん認定を受けた事業主は，公共調達（国が発注する契約）で加点評価を受けることができます。

求職者側：働きやすさを知ることができる

ここで視点を求職者側に変えてみましょう。求職者にとって，くるみん認定のような制度があると，「働きやすさ」を図ることができるようになります。

事業者にとっても，「くるみん助成金」「公共調達における優遇措置」などの利点があるため，一概に「くるみん認定＝優良」と言い切ることはできませんが，少なくとも劣悪な労働環境の事業者を避けるフィルターにはなるはずです。

求人を探すときは，くるみん認定，プラチナくるみん認定を受けている企業を選ぶようにするというのもよいでしょう。そして，「くるみん認定を受けると求職者に選ばれやすくなる」ということから，企業が制度を整備して次世代育成支援対策が推進されるといいなと思います。

沖縄県のくるみん認定企業一覧まとめ

最後に，沖縄県のくるみん認定企業をまとめて紹介します（50音順）。事業者の方はくるみん認定企業を参考にすることで，自社の労働環境の整備に役立てることができると思います。また，求職者の方は，各社の採用ページなどを参考にしてみてください。

株式会社アクシア沖縄

株式会社アクシア沖縄は，沖縄の人材派遣・人材紹介会社です。沖縄県内の人材派遣業で唯一「子育てサポート企業」として「くるみん認定」を受けています。

アディッシュプラス株式会社

アディッシュプラス株式会社は，カスタマーサクセスソリューション・プロバイダーである「アディッシュ株式会社」のグループ会社です。こどものインターネット利用に関する課題解決をするスクールガーディアン，ソーシャルアプリ，WEBサービスの企画等を行っています。

イオン琉球株式会社

イオン琉球株式会社は，イオングループの企業です。株式会社プリマートと沖縄ジャスコ株式会社の合併により誕生しました。沖縄県において，「イオン」や「マックスバリュ」，「ザ・ビッグ」，「イオンドラッグ」などを展開しています。

株式会社うちなーうぇぶ

株式会社うちなーうぇぶは，沖縄を拠点にインターネット広告代理事業，SEO，HP制作など，WEBマーケティングに関する企画や開発，コンサルティングを行っています。

沖縄振興開発金融公庫

沖縄振興開発金融公庫は，沖縄における政策金融を行なう政府系金融機関（政府が出資する金融機関）です。1972年5月15日，沖縄の本土復帰に伴い設立され，沖縄の地域的な政策課題にための独自制度，地域開発やベンチャーのための出資を一元的に取り扱っています。

沖縄電力株式会社

沖縄電力株式会社は，沖縄県の電力会社です。沖縄県の大企業のひとつであり（東証プライム上場企業）、沖縄県が発行済株式数の約5%を保有しています。筆者は，「おきでん more-E」で毎月の電気使用量を見るのを楽しみにしています。

沖縄日立ネットワークシステムズ株式会社

沖縄日立ネットワークシステムズ株式会社は，日立グループの企業です。強固な事業基盤を使って，テクニカルサポートサービスやヘルプデスクサービスなどのサポートビジネス，ソフトウェア開発やネットワークインテグレーションなどのソリューションビジネスを展開しています。

オリックス・ビジネスセンター沖縄株式会社

オリックス・ビジネスセンター沖縄株式会社は，オリックスグループのバックオフィス業務を行っている企業です。近年は，RPA（Robotic Process Automation。事務作業を自動化する技術）などのITツールを活用するなどして，生産性と品質を向上させる役割を担っています。

オリックス・ビジネスセンター沖縄株式会社は，九州・沖縄初のプラチナくるみん認定の企業です（執筆時点において，九州・沖縄で唯一のプラチナくるみん認定企業）。

社会医療法人敬愛会

社会医療法人敬愛会は，沖縄市にある「中頭病院」や「ちばなクリニック」などを運営する社会医療法人です。営利を目的としない公益性の高い医療法人で地域医療に貢献しています。

株式会社國場組

株式会社國場組は，沖縄県の大手建築・土木会社です。1931年，國場幸太郎さんが「國場組」を創業し，小禄飛行場（現・那覇空港）などを手がけてきました。現在は多くのグループ企業も束ね，100年企業を目指して成長を続けています。

株式会社ジャンボツアーズ

株式会社ジャンボツアーズは，「JJツアー」ブランドで国内旅行・海外旅行の企画等をする旅行会社です。メディア事業セクション，インバウンドセクション，セールス・プロモーションセクション，WEBメディアセクションの4つのセクションで事業を展開しています。

株式会社スズケン沖縄薬品

株式会社スズケン沖縄薬品は，健康創造企業「スズケングループ」のひとつです。サポーティング企業として，医薬品卸売事業や医療機器・材料卸売事業などをを行っています。

ソニービジネスオペレーションズ株式会社

ソニービジネスオペレーションズ株式会社は，ソニーグループの事務業務の受託や代行を行う企業です。ソニーグループの経済的成長へ貢献しています。

パナソニックコンシューマーマーケティング沖縄株式会社

パナソニックコンシューマーマーケティング沖縄株式会社は，パナソニック株式会社の沖縄地区家電販売会社です。地域電器専門店や家電量販店などを通じて「パナソニック」ブランドの商品の提供を行っています。

株式会社プロトソリューション

株式会社プロトソリューションは，デジタルマーケティング事業やITインテグレーション事業を行っている企業です。クルマ情報誌「グー沖縄版」や不動産情報ポータルサイト「グーホーム」の運営などを行っています。

ホシザキ沖縄株式会社

ホシザキ沖縄株式会社は，開発・製造・販売・サービスの4部門を担う「ホシザキグループ」のひとつです。地域に密着し，全自動製氷機、冷凍冷蔵庫、食器洗浄機などの業務用厨房機器の販売や厨房づくり，メンテナンスなど食環境をトータルプロデュースしています。

社会福祉法人まつみ福祉会

社会福祉法人まつみ福祉会は，高齢者向けサービス，障害者向けサービス，幼児・児童向けサービスを行う社会福祉法人です。「共生ケア」を掲げ，高齢者や障害者，幼児・児童が互いに支え合うことで，自らの判断で行動する主体性が生まれてくることを支援しています。

医療法人友愛会

医療法人友愛会は，豊見城中央病院や友愛医療センター（地域医療総合病院）などの病院，健診センター，PET施設，介護老人保健施設などを運営しています。沖縄県南部では中核的な医療法人となり，各医療機関や福祉施設と連携して，地域の健康と福祉の向上を目指しています。

株式会社琉球新報社

株式会社琉球新報社は，沖縄県の地方紙「琉球新報」を発行する新聞社です。1893年に沖縄県初の新聞として発行，1945年に戦争のため廃刊，戦後「ウルマ新報」等を経て，現在の「琉球新報」が発行されるようになりました。「沖縄タイムス」とシェアを二分しています。

国立大学法人琉球大学

国立大学法人琉球大学は，1950年に創設された琉球大学を運営しています。人文社会学部や医学部など全部で7つの学部があります。筆者がまた学んでみたい大学のひとつです。

株式会社りゅうせき

株式会社りゅうせきは，稲嶺一郎を中心に創業された石油供給会社です。ENEOSと提携したガソリンスタンドだけでなく，ロコホテルズとして「ホテル ロコアナハ」などのホテル事業，バイキングレストラン「アレッタ」などの飲食事業を展開しています。

株式会社琉薬

株式会社琉薬は，医薬品卸の「アルフレッサグループ」の小会社です。医薬品卸・販売会社として，沖縄県では最大のシェアを誇り，地元に密着した企業活動に取り組んでいます。

社会福祉法人みつわ福祉会

社会福祉法人みつわ福祉会は，みつわ保育園（南風原町）などを運営する社会福祉法人です。育児相談や園庭開放などの「子育て支援」，地域行事への参加や世代間交流などの「地域活動事業」も行っています。

沖縄県労働金庫

沖縄県労働金庫（沖縄ろうきん）は，那覇市に本店を置く労働金庫（労働組合や生協などの会員が資金を出し合って運営する非営利組織）です。就職や結婚，出産，住宅，教育などさまざまな場面で役立つサービスを提供しています。