特定労働者協同組合について，認定の基準，税制，認定の申請のまとめ

労働者協同組合は，一定の基準を満たし，都道府県知事の認定を受けることにより特定労働者協同組合になります。この記事では，特定労働者協同組合の認定基準などについてまとめます。

特定労働者協同組合の認定基準

特定労働者協同組合の認定を受けるには，4つの基準を満たす必要があります。

①　定款に，剰余金の配当を行わない旨の定めがあること。

②　定款に，解散時，組合員に対し出資額を限度として分配した後の残余財産が国・地方公共団体・他の特定労働者協同組合に帰属する旨の定めがあること。

③　①②の定款の定めに反する行為を行うことを決定し，または行ったことがないこと。

④　各理事の親族等の割合が，3分の1以下であること

特定労働者協同組合の認定を受けると，公益法人等の扱いになって税制上の優遇が受けられるため，私利私欲になるようなことはできませんということです。

参考：労働者協同組合 ｜厚生労働省

特定労働者協同組合の事例

令和5年5月31日時点で，47法人の労働者協同組合が設立されています。そのうち，以下の4法人が特定労働者協同組合として認定されています。

• 労働者協同組合ワーカーズ・コレクティブＬａｖｏｒｉ（神奈川県横浜市）
• 労働者協同組合ワーカーズコープちば（千葉県船橋市）
• 労働者協同組合ワーカーズ・コレクティブ・キャリー（神奈川県横浜市）
• 労働者協同組合ワーカーズコープ・センター事業団（東京都豊島区）

労働者協同組合ワーカーズ・コレクティブＬａｖｏｒｉ

労働者協同組合ワーカーズコープちば

労働者協同組合ワーカーズ・コレクティブ・キャリー

労働者協同組合ワーカーズコープ・センター事業団

特定労働者協同組合の税制

特定労働者協同組合になると，税制上，NPO法人と同じような取扱いがされます。ただし，寄付金の損金不算入制度については適用されません（普通法人と同じになる）。

特定労働者協同組合は，法人税法上公益法人等になります。課税対象は，法人税法上の収益事業から生じた所得にのみ課税されます。

法人税率について補足すると，年800万円以下の部分は15%，年800万円超の部分は23.20%になります。特定労働者協同組合と労働者協同組合は，資本金が1億円超の場合は800万円以下の部分も23.20%になります。

• a：年800万円以下の部分
• b：年800万円超の部分

2023.04.03

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特定労働者協同組合の認定の申請

特定労働者協同組合の認定を申請する場合は，申請書等を都道府県に提出します。

• 申請書
• 定款
• 役員の氏名，生年月日及び住所を記載した書類
• 基準に適合することを説明した書類
• 欠格事由に該当しないことを説明した書類
• その他，都道府県が必要と認める書類

基準に適合していると認められると，特定労働者協同組合の認定がされます。