「沖縄の基地と戦跡I」は、共通教育科目のひとつで、「琉大特色・地域創生科目」に分類されます。琉球大学では、「平和共生・沖縄理解科目群」を6単位取る必要があり、そのうちの2単位として選びました。琉球大学には、他にもさまざまな科目があるので、時間割とにらめっこしながら選びます(笑)。
基本情報
| 科目名 | 沖縄の基地と戦跡I |
| 開講年度 | 2024年度 |
| 開講学期 | 前期 |
| 単位数 | 2単位 |
| 授業形態 | 対面授業 |
授業内容
授業の内容は次のとおりです。
本講義で扱う内容は沖縄戦や戦後/現在の基地をめぐる問題です。ただ、それらを時系列で紹介していく講義ではありません。沖縄戦~現在の基地をめぐる問題について具体的な視点から学ぶことを通して、それぞれの時代の特徴について理解するとともに、時期区分を超える包括的な視点から本質的な問題を捉えられるようにすることを目指します。今年度計画している4つの視点とその特徴は次の通りです。
- 琉大敷地内の沖縄戦/戦後(2回)…皆さんが学ぶ琉球大学の「敷地」に焦点を当て、そこで過去に何があったのかを学びます。
- 沖縄戦における住民動員(4回)…沖縄戦の住民動員の諸形態とそのプロセスに焦点を当て、沖縄県民が犠牲になった要因の一端について考えます。
- 戦争/軍隊と「補償」(4回)…沖縄戦と基地問題に通底する「補償」の問題に着目し、国家/軍隊と民間人・住民の関係について考えます。
- 「民意」と基地(4回)…基地問題を考える上で「民意」をどう捉えれば良いのか、さらには「民意」で基地を動かすことができるのかを考えます。
全部で14回となっているのは、第1回はオリエンテーションだからです。
私は、この記事を書いている時点で琉球大学の1年次前期しか終えていないですが、おそらくもっとも熱量がある授業のひとつなのではないかと思っています。
「沖縄の基地と戦跡I」を担当するのは、K先生とO先生の2人です。どちらも戦争の非体験世代が語り継ぐ『沖縄戦を知る事典』『続・沖縄戦を知る事典』の執筆者のひとりです。私は前作は図書館、続は授業を受けている途中に発売されたので書店で購入しました。どちらも読み応えがあります。
各授業の終わりに、今回の授業で思ったことや疑問に感じたことなどを提出します(Google フォームを使っていました)。そして、次の授業は、前回の振返りから始まります。この授業の先生方がすごいと思うのは、学生約100人が提出した授業の感想に対して、提出期限までに提出した学生のほぼ全員に対して相当量のコメントをしている点です。もちろん、一言くらいなら他の授業でもできると思うのですが、コメントの量が尋常ではありません。200文字くらいは当たり前、学生が感想や疑問を相当量書いていれば、それに相当する分量の返信があります。毎回、「前回の振返り」の資料だけでA4で20〜30ページあり、私は授業後に大量の資料をバスで読みながら帰っていました。
先生自体は決して厳しいという雰囲気はありません。どちらかというと面白いという形容があっています。ただ、コメントは的はずれなことを書いてしまうと、それなりに厳しい返信がされます(笑)。
「前回の振返り」では、先生が気になったコメントをひとつ選び、それを書いた学生がコメントを読み上げる形で進んでいきます。先生が感想を話し、意見を持った他の学生が話すといったように議論につながります。ときには、熱い議論が展開されることもありました。「前回の振返り」に授業時間の半分近くが使われることも少なくありませんでした(悪い意味ではないです)。
授業の本編(?)では、上記の「琉大敷地内の沖縄戦」「沖縄戦における住民動員」「戦争/軍隊と『補償』」「『民意』と基地」について学びます。少なくとも琉大に興味があって入学した学生の方なら、琉大敷地内の沖縄戦は興味があるのではないでしょうか。私も語弊があるかもしれませんが、興味津々に授業を受けていました。
評価方法・テスト形式
評価方法は、授業後のコメントシートと期末試験のレポートです。
期末試験は、レポートです。「沖縄の基地と戦跡」という授業だけあって、正解がないのが特徴です。そのため、私も課題設定に苦労しました。そして、土日に学校の図書館に行って、資料を漁るなどしてなんとか書き上げたのを覚えています。今のところ、もっとも大変だったレポートのひとつでした。
本授業で高い評価を得るために、まずは毎回の授業はできるだけ出席するようにしましょう。欠席をした場合の救済措置もありますが、こういうところで減点をされるのはもったいないことです。
次に、授業はきちんと聞いたうえで、参考資料として紹介されている資料は、図書館で調べるなどして読むようにしましょう。復習をすると理解度が変わってきます。そして、「前回の振返り」資料は、同じ授業を受けた学生がどう感じたのか、先生はどう返したのかを知る重要な資料です。多少時間がかかるかもしれませんが、必ず目を通しておくようにしましょう。私は「前回の振返り」で気になった方のコメントに対して、自分なりにコメントをするようにもしていました。
最後に、夏休みに集中講義として「沖縄の基地と戦跡Ⅱ」があります。これは「沖縄の基地と戦跡I」を履修した方が受けられる科目です。ただ、参加上限が15名(20名?)ということで、参加するのは大変そうでした。この年も希望者が多く、私は見送ることにしました。来年以降、知ることができたら参加してみたいですが、来年も来年の授業を受けた人が参加するので難しそうな…(汗)。
総合評価
★★★★☆
「沖縄の基地と戦跡I」は、沖縄戦や基地問題についてさまざまな視点から学ぶことができる授業です。毎回のコメントに対する先生方の返信で考えを深めることができます。一方、扱うテーマは重く、期末レポートにも相応の労力が求められるため、決して楽な授業ではありません。しかし、琉球大学だからこそ受けられる授業のひとつであり、沖縄について深く学びたい方には価値のある授業だと思います。