生活保護

沖縄県の生活保護制度について


生活に困っているすべての方は,生活保護を受けることにより最低限度の生活が保障されています。ここでは,沖縄県における生活保護制度の目的や原則,種類,機関についてまとめています。



生活保護制度の目的

生活保護制度は,日本国憲法25条に規定する「すべて国民は,健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」という理念に基づいて,生活に困窮するすべての国民に対し,必要な保護を行い,最低限度の生活を保障し,自立を助長することを目的としています。

そして,保障される「最低限度の生活」は,「健康で文化的な生活水準を維持することができるものでなければならない」とされています。

もっとも,生活保護は「生活に困窮する者が,その利用し得る資産,能力その他あらゆるものを,その最低限度の生活の維持のために活用すること」を要件としています。つまり,生活保護は資産や扶養,扶助などを活用しても最低限度の生活ができないときに受けられるということです。

ただし,「急迫した事由がある場合」は,必要な保護が受けられるので安心しましょう。

生活保護の原則

生活保護には4つの原則があります。

  1. 申請保護の原則
  2. 基準及び程度の原則
  3. 必要即応の原則
  4. 世帯単位の原則

申請保護の原則

生活保護は,要保護者,その扶養義務者,その他の同居の親族の申請に基づいて開始されます。必要なアクションは自分から起こす必要があるということです。もっとも,要保護者が急迫した状況にあるときは,申請がなくても,保護を行う場合もあります。

基準及び程度の原則

生活保護は,厚生労働大臣の定める基準(年齢や世帯構成,所在地域,保護の種類など)のうち,金銭や物品で満たすことのできない不足分を補う程度において行われます。もし,仮に10万円が支給されるるとき,3万円分は給与がある場合,差額の7万円が支給されるイメージです。

必要即応の原則

生活保護は,要保護者の年齢,性別,健康状態など,個人や世帯の実際の必要の相違を考慮して,有効かつ適切に行われます。上記基準のみで判断するのではなく,個別の事情も考慮してもらえます。

世帯単位の原則

生活保護は,世帯を単位として要否と程度を定めます。ただし,これで判断するのが適当ではないときは,個人を単位として定めることができるようになっています。

生活保護の種類

生活保護の種類は,次の8種類です。

  1. 生活扶助
  2. 教育扶助
  3. 住宅扶助
  4. 医療扶助
  5. 介護扶助
  6. 出産扶助
  7. 生業扶助
  8. 葬祭扶助

これらの扶助は,要保護者の必要に応じて行われます。それぞれ排他的なものではないので,生活扶助(生活費にあたるもの)と住宅扶助(家賃にあたるもの)を受けながら,必要に応じて医療扶助や出産扶助などが受けられます。

生活扶助

  • 衣食その他日常生活の需要を満たすために必要なもの
  • 移送

教育扶助

  • 義務教育に必要な教科書その他の学用品
  • 義務教育に必要な通学用品
  • 学校給食その他義務教育に必要なもの

住宅扶助

  • 住居
  • 補修その他住宅の維持のために必要なもの

医療扶助

  • 診察
  • 薬剤又は治療材料
  • 医学的処置,手術及びその他の治療並びに施術
  • 居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護
  • 病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護
  • 移送

介護扶助

介護扶助は,要介護者,要支援者,居宅要支援被保険者等に対して行われます。

要介護者

  • 居宅介護(居宅介護支援計画に基づき行うものに限ります)
  • 福祉用具
  • 住宅改修
  • 施設介護
  • 移送

要支援者

  • 介護予防(介護予防支援計画に基づき行うものに限ります)
  • 介護予防福祉用具
  • 介護予防住宅改修
  • 介護予防・日常生活支援
  • 移送

居宅要支援被保険者等

  • 介護予防・日常生活支援
  • 移送

出産扶助

  • 分娩の介助
  • 分娩前,分娩後の処置
  • 脱脂綿,ガーゼ,その他の衛生材料

生業扶助

生業扶助は,収入を増加させたり,自立を助長することのできる見込みのある場合に受けられます。

  • 生業に必要な資金,器具又は資料
  • 生業に必要な技能の修得
  • 就労のために必要なもの

葬祭扶助

  • 検案
  • 死体の運搬
  • 火葬または埋葬
  • 納骨その他葬祭のために必要なもの

生活保護の機関

生活保護は,居住地がある所管区域内の福祉事務所で申請できます。居住地がなかったり,または明らかでない場合は,現在地の福祉事務所で申請できます。

生活保護の開始を申請する者は,次の事項を記載した申請書を福祉事務所に提出します。ただし,申請書を作成することができない特別な事情があるときは,この限りではありません。

  • 氏名,住所または居所
  • 申請者が要保護者と異なるときは,申請者の氏名,住所または居所,要保護者との関係
  • 保護を受けようとする理由
  • 要保護者の資産及び収入の状況
  • その他要保護者の保護の要否,種類,程度及び方法を決定するために必要な事項として厚生労働省令で定める事項

申請後,資産や収入の状況の調査が行われます。

申請から14日〜30日で結果が出ます。

生活保護申請

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