民法の物権の抵当権から根抵当について学習します。本試験対策として、根抵当の優先度は高くないので、概要を抑える程度にしておきましょう。
根抵当権
抵当権のうち、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するために設定するものを根抵当権といいます。
民法には、根抵当権(398条の2)など「根」という単語が出てきます。「根」は、「繰り返し使える」というイメージを持つとわかりやすいと思います。
たとえば、通常の抵当権は、一度抵当権を設定して、被担保債権(借りたお金)が消滅したら(弁済したら)、消滅します。一方、根抵当権は、債務が消滅しても消滅せず、繰り返し使うことができます。根抵当権は、銀行取引など継続した取引が発生する場合に使われるものだと考えるとわかりやすいと思います。
根抵当権は、英語では「Revolving Mortgage」といい、「根」に相当する部分は、「Revolving」になります。回転式の拳銃「リボルバー」(Revolver)から、回転して繰り返し使えるというイメージを持ってみましょう。
根抵当権は、一定の範囲に属する不特定の債権を担保するために設定することができます。もっとも、必要以上に債務が増えてしまわないように限度額を決めておきます。これを「極度額」といいます。
根抵当権の被担保債権の範囲
過去問:R2-29、R4-29
根抵当権者は、極度額を限度として、抵当権を行使することができます。
根抵当権の被担保債権の範囲及び債務者の変更
過去問:R2-29、R4-29
根抵当権は、債権の範囲の変更をすることができます。
根抵当権の元本確定期日の定め
根抵当権は、繰り返し使えるため、最後の確定期日を定めまたは変更することができます。なお、根抵当権が確定すると、それ以降に発生した債権は担保されません。確定したら、通常の抵当権と同じように考えることができます。つまり、債務を弁済したら、確定した根抵当権は消滅します。
根抵当権の被担保債権の譲渡等
元本の確定前に根抵当権者から債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使することができない。元本の確定前に債務者のために又は債務者に代わって弁済をした者も、同様とする(398条の7第1項)。
元本の確定前に債務の引受けがあったときは、根抵当権者は、引受人の債務について、その根抵当権を行使することができない(398条の7第2項)。
過去問:R2-29、R4-29
この条文が少し読みにくいと思います。根抵当権は、さまざまな債権を担保しています。この債権を取得した者は、根抵当権を行使することはできません。根抵当権を行使することができるのは、あくまで根抵当権者です。
また、債務の引受けがあると、引受人に債務が移転します。このとき、根抵当権者は、引受人の債務について、根抵当権を行使することはできません。根抵当権が担保しているのは、あくまで従前の債務者との間にある債権です。
根抵当権の極度額の減額請求
過去問:R2-29、R4-29
元本の確定後、根抵当権設定者は、極度額の減額請求をすることができます。極度額が高いままの根抵当権が登記されていると、不動産の交換価値が不当に低く評価されてしまい、後順位抵当権がつきにくい、つまり、お金が借りにくくなってしまうといったことを考えるとわかりやすいと思います。
根抵当権は、深追いせず制度の概要をおさえる程度にしておきましょう。
