Webの記事は、上から順に読まれるとは限りません。読者の多くは、まず見出しだけを拾い読みして、どこを読むかを決めます。そのため、見出しは「本文の目印」であると同時に、それだけで内容を伝える文でもあります。
今回は、本文を変えずに、見出しの付け方だけを変えた3パターンを用意しました。題材は「問い合わせフォームの項目」です。
比べる本文(3パターンとも同じ)
【1つ目の段落】
問い合わせフォームの項目が多いと、入力の途中でやめる人が増えます。項目は、返事をするのに必要なものだけにします。
【2つ目の段落】
必須にする項目は、連絡に使う名前とメールアドレス、それに相談の内容に絞ります。電話番号や住所は、必要になった時点で聞けば足ります。
【3つ目の段落】
送信の前に確認画面を出すと、メールアドレスの打ち間違いに気づけます。返事が届かないという行き違いを防げます。
この3つの段落に、それぞれ見出しを付けます。
パターン1:単語だけの見出し
■ 必須の項目
■ 確認画面
短く、目次としてすっきり見えます。一方で、「項目数をどうすればよいのか」は、本文を読むまで分かりません。見出しは話題の名前を示すだけで、答えは何も伝えていません。
パターン2:問いの形の見出し
■ どの項目を必須にするか
■ 確認画面は必要か
読者が抱えている疑問と同じ形になります。そのため、読者は「自分が知りたいことが書いてある」と判断しやすくなります。ただし、答えはやはり本文を読まないと分かりません。
パターン3:結論の形の見出し
■ 必須は、名前・メールアドレス・相談の内容に絞る
■ 確認画面で、メールアドレスの打ち間違いを防ぐ
見出しを拾い読みするだけで、記事の要点がすべて伝わります。本文を読まずに離れた読者にも、結論は届きます。代わりに見出しが長くなるため、目次が詰まって見えます。
3つを並べて分かったこと
見出しだけを順に読んだとき、伝わる量ははっきり違いました。
単語の見出しから分かるのは、「何について書いてあるか」だけです。問いの見出しからは、「どんな疑問に答える記事か」が分かります。結論の見出しからは、「何をすればよいか」まで分かります。
一方で、結論の見出しには弱点もあります。答えを見出しで言い切るため、読者が本文を読む理由が減ります。また、条件によって答えが変わる話では、短い見出しに言い切れないこともあります。
使い分けの目安
私は、記事の種類によって見出しの形を使い分けています。
- 手順や比較など、拾い読みされる記事:結論の形
- 読者が答えを探して来る、疑問に答える記事:問いの形
- 用語集や一覧など、目次として使うページ:単語の形
迷ったときは、結論の形から考えます。見出しに結論を書こうとすると、その段落で何を言いたいのかを、書く側がはっきりさせる必要があるからです。結論が1行に収まらない段落は、たいてい2つの話が混ざっています。
まとめ
見出しは、本文を読まない読者にも届く唯一の文です。単語の見出しは話題を、問いの見出しは疑問を、結論の見出しは答えを伝えます。拾い読みされる記事では、結論の形の見出しにすると、見出しを追うだけで要点が伝わります。

