あなたは普段、文章を読むときに文体を意識しているでしょうか。「です」「ます」で書かれた文章と、「だ」「である」で書かれた文章では、同じ内容でも受け取り方が変わることがあります。この記事では、同じテーマについて敬体と常体の両方で書き、その印象の違いを確かめます。
敬体で書いてみる
文章には「敬体」と「常体」という2種類の文体があります。敬体とは、文末に「です」「ます」などを使う文体のことです。日常的にWebで目にするブログ記事の多くは、この敬体で書かれています。
敬体が広く使われている理由は、読者との距離感にあります。「です」「ます」調は、書き手が読者に対して丁寧に語りかけているような印象を与えるため、初めて読む人に対しても親しみやすく、読み手を選びません。
一方で、同じ語尾が続きすぎると単調に感じることもあります。文末のバリエーションを意識しないと、リズムが一本調子になりやすいことは、敬体を使うときに注意したい点です。
SEO記事やビジネス向けのコンテンツでは、敬体が標準的な文体になっています。検索から流入してくる読者層は幅広く、文体に関する前提知識を持たない人も多いからです。また、敬体は文章の信頼感にも影響します。丁寧な語り口は書き手の誠実さや信頼性を伝えやすく、読者が内容を素直に受け取りやすくなります。特に、情報提供を目的とした記事では、この信頼感が読了率にも関係してきます。
常体で書いてみる
文章には「敬体」と「常体」という2種類の文体がある。常体とは、文末に「だ」「である」などを使う文体のことである。新聞のコラムや論説文など、主張や思想を伝える文章に用いられる。
「だ」「である」調は書き手の立場や意見を明確に打ち出す力があるため、文章に芯が通ったような感覚を生み、読者に対して書き手の確信が伝わりやすい。
一方で、読者によっては冒頭から圧迫感を覚えることもある。敬体に慣れたWeb読者にとって、常体は硬い印象を与える可能性がある点は、使うときに意識しておきたい。
個性や主張を前面に出したいコンテンツには、常体の方が向いている場合がある。たとえば、専門知識をもとに見解を述べるコラムや、書き手の視点を軸にした考察記事では、常体の断定的な語尾が文章に説得力を与える。ただし、サイト全体のトーンと揃えることが前提になるため、部分的に常体を混在させるよりも、文体を統一した上で使うことが望ましい。
比較して感じたこと
読みやすさ
敬体は文末が「です」「ます」で統一されているため、読み進めるときの引っかかりが少なく、初見の読者でもスムーズに内容を追うことができます。常体は文末が短く歯切れよく締まる分、簡潔な印象を与えますが、Web記事に敬体を期待している読者には硬く感じられることもあります。純粋な読みやすさという点では、Web読者に限れば敬体に分があります。
信頼感・距離感
敬体は、書き手が読者に対して丁寧に向き合っている姿勢が文体に表れます。その分、読者は構えずに内容を受け取りやすくなります。常体は書き手の主張や個性が前面に出るため、読者との関係性がより対等に近い感覚になります。同じ信頼感でも、敬体は「誠実さ」、常体は「確信の強さ」として伝わる傾向があります。
SEO記事との相性
検索流入を想定したSEO記事では、敬体の方が相性がよい傾向があります。検索から流入してくる読者層は幅広く、文体に関する前提知識を持たない人も多いため、敬体の方が読者を選ばずに内容を届けられるからです。常体でSEO記事を書く場合も、サイト全体のトーンと揃えることが重要です。文体がページによって異なると、読者に違和感を与えるからです。
おわりに
一般的なWeb記事では敬体が主流であり、不特定多数の読者に向けて情報を届ける場面では敬体の方が機能しやすいといえます。一方、常体は書き手の主張や個性を前面に出したい場面で力を発揮します。どちらの文体を選ぶかは、誰に向けて書くか、何を伝えたいか、どのような印象を与えたいかによって変わるといえるでしょう。

