【民法】抵当権の効力について、代価弁済や法定地上権などのまとめ

民法
(※当サイトはアフィリエイトリンクを含みます)


民法の物権の抵当権から抵当権の効力について学習します。

民法>物権>抵当権>抵当権の効力

抵当権の順位

同一の不動産について数個の抵当権が設定されたときは、その抵当権の順位は、登記の前後による(373条)。

抵当権は物権なので、第三者に対抗するには登記が必要になります(177条)。そして、抵当権の順位は、登記の前後によって決まります。たとえば、1億円の不動産に6000万円分の抵当権が設定されて登記された場合、2番抵当権は4000万円分まで安心して担保することができるということです。

抵当権の順位の変更

抵当権の順位は、各抵当権者の合意によって変更することができる。ただし、利害関係を有する者があるときは、その承諾を得なければならない(374条1項)。

前項の規定による順位の変更は、その登記をしなければ、その効力を生じない(374条2項)。

抵当権の順位は、抵当権者の合意によって変更することができます。

抵当権の被担保債権の範囲

抵当権者は、利息その他の定期金を請求する権利を有するときは、その満期となった最後の2年分についてのみ、その抵当権を行使することができる(375条1項本文)。

無制限に利息などを担保できると、後順位の抵当権者の予測可能性を害することになってしまうため、抵当権者は、最後の2年分のみ、抵当権を行使することができるようになっています。

代価弁済

抵当不動産について所有権又は地上権を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその抵当権者にその代価を弁済したときは、抵当権は、その第三者のために消滅する(378条)。

所有権または地上権を買い受けた第三者が、代価を弁済したときは、つまり、債務者の代わりに弁済したときは、抵当権は消滅します。

抵当権消滅請求

抵当不動産の第三取得者は、抵当権消滅請求をすることができる(379条)。
主たる債務者保証人及びこれらの者の承継人は、抵当権消滅請求をすることができない(380条)。

先ほどは、所有権または地上権を買い受けたものは、抵当権者の主導によって、弁済したときについての規定でした。今回は、抵当不動産の第三取得者なので、所有権のみが対象です。また、抵当権者の主導ではなく、第三取得者側から請求することができます。そのため、主たる債務者や保証人、そして、これらの承継人は、債務を負担する地位にあるため、抵当権消滅請求をすることはできません。

抵当権消滅請求の時期

抵当不動産の第三取得者は、抵当権の実行としての競売による差押えの効力が発生する前に抵当権消滅請求をしなければならない(382条)。

抵当権消滅請求の効果

登記をしたすべての債権者が抵当不動産の第三取得者の提供した代価又は金額を承諾し、かつ、抵当不動産の第三取得者がその承諾を得た代価又は金額を払い渡し又は供託したときは、抵当権は、消滅する(386条)。

債権者が第三取得者の提供した代価等を承諾し、かつ、第三取得者が代価等を払い渡し等したときに、抵当権が消滅します。このことから、主たる債務者や保証人が抵当権消滅請求をすることはできないことがわかると思います。

法定地上権

[①]土地及びその上に存する建物が[②]同一の所有者に属する場合において、[③]その土地又は建物につき抵当権が設定され、[④]その実行により所有者を異にするに至ったときは、その建物について、地上権が設定されたものとみなす。この場合において、地代は、当事者の請求により、裁判所が定める(388条)。

抵当権が実行されたことにより、所有者を異にするに至ったとき、建物の所有者は土地の利用権を有しないことになってしまいます。そこで、4つの要件を満たした場合は、法定で地上権が発生するとされています。

抵当権が設定された時点で、同一の所有者に属することが必要であるのは、仮に異なる所有者である場合、建物にはすでに地上権または賃借権の利用権があるためです。

抵当地の上の建物の競売

抵当権の設定後に抵当地に建物が築造されたときは、抵当権者は、土地とともにその建物を競売することができる。ただし、その優先権は、土地の代価についてのみ行使することができる(389条1項)。

抵当権の設定後に建物が築造された場合、法定地上権が成立しません。また、土地に、建物の利用権が付いている場合、土地を買った人は自由に土地を利用することができないため、土地の競売が困難となります。そこで、このような場合、土地と建物を一括で競売することができるとされています。ただし、抵当権者が担保していたのは土地のみのため、優先弁済権は土地の代価についてのみとなります。

抵当建物使用者の引渡しの猶予

抵当権者に対抗することができない賃貸借により抵当権の目的である建物の使用又は収益をする者であって次に掲げるものは、その建物の競売における買受人の買受けの時から6箇月を経過するまでは、その建物を買受人に引き渡すことを要しない(395条1項)。
① 競売手続の開始前から使用又は収益をする者
② 強制管理又は担保不動産収益執行の管理人が競売手続の開始後にした賃貸借により使用又は収益をする者

抵当権者に対抗することができない賃借人は、競売後、家を出ていかなければなりません。しかし、建物は生活や事業にとって重要であるため、買受けの時から6箇月を経過するまで、買受人に引き渡すことを要しません。この間に新しい建物を探すことができるようになっています。もっとも、これは建物が生活や事業にとって重要であるからのため、土地の場合は適用されないので注意しましょう。

 

SOMEYA, M.

東京都生まれ。沖縄県在住。主に行政書士試験対策について発信しているブログです。【好き】沖縄料理・ちゅらさん・Cocco・龍が如く3

特集記事

SOMEYA, M.

東京都生まれ。沖縄県在住。主に行政書士試験対策について発信しているブログです。【好きなもの】沖縄料理・ちゅらさん・Cocco・龍が如く3

TOP
CLOSE