【行政法】行政上の義務履行確保の総論について、行政強制と行政罰のまとめ

行政法総論
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行政法の行政上の義務履行確保から総論について学習します。今回から行政上の義務履行確保に入ります。基本書等では、「行政上の強制措置」や「行政上の強制手段」などと分類されている場合もありますが、同じものです。

今回は、行政上の義務履行確保とはどのようなものか、全体像をみていきましょう。

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行政上の義務履行確保とは

行政上の義務履行確保とは、義務の履行を確保するために、行政が一定の強制手段をとることをいいます。

たとえば、行政行為などにより国民に義務が生じたとしても、国民がその義務を履行しなければ、行政の目的を達成することができません。具体的には、納税義務が生じても、国民が納税しなければ、課税という目的を達成することができません。そこで、行政自身が強制手段をとることができるようになっています。

行政上の義務履行確保は、大きく行政強制行政罰の2つに分けられます。

行政強制は、将来に向けて義務の履行を確保するものをいいます。たとえば、先ほどの税金が納められていないから、強制的に徴収するなどがあります。行政強制は、代執行、執行罰、直接強制、行政上の強制執行、そして、即時強制があります。

行政罰は、過去の義務違反に対して制裁を行うものをいいます。たとえば、自動車の交通違反の反則金などがあります。

行政罰は、行政刑罰と秩序罰があります。

本試験対策として、行政上の義務履行確保のそれぞれの項目について、どのようなものかを学習します。

総論の最後に判例を確認しましょう。

宝塚市は、「宝塚市パチンコ店等,ゲームセンター及びラブホテルの建築等の規制に関する条例」を制定しました。本条例は、パチンコ店等の建物を建築しようとする者は、市長の同意を要し、市長は、同意なく建築を進めようとする者に対し、建築の中止等を命じることができるとされていました。ただし、義務違反に対する罰則の規定はありません。

およそ10年後、Yは、本条例に違反してパチンコ店の建築工事を始めました。市長は、建築の中止等を命じましたが、Yが建築工事を続行したため、建築工事の続行を禁止する訴えを提起しました。

判例は、「国又は地方公共団体が提起した訴訟であって、財産権の主体として自己の財産上の権利利益の保護救済を求めるような場合には、法律上の争訟に当たるというべきであるが、国又は地方公共団体が専ら行政権の主体として国民に対して行政上の義務の履行を求める訴訟は、法規の適用の適正ないし一般公益の保護を目的とするものであって、自己の権利利益の保護救済を目的とするものということはできないから、法律上の争訟として当然に裁判所の審判の対象となるものではなく、法律に特別の規定がある場合に限り、提起することが許されるものと解される。

国又は地方公共団体が専ら行政権の主体として国民に対して行政上の義務の履行を求める訴訟は、裁判所法3条1項にいう法律上の争訟に当たらず、これを認める特別の規定もないから、不適法というべきである。」として、訴えを却下しました(最判平14.7.9)。

まず、裁判所は、「法律上の争訟」(裁判所法3条1項)を裁判します。「法律上の争訟」とは、①当事者間の具体的な権利義務ないし法律関係の存否に関する紛争であって、②法令の適用によって終局的に解決できるものをいいます。

これを前提に、国または地方公共団体が自己の財産上の権利利益の保護救済を求めるような場合は、この「法律上の争訟」にあたるとしました。

もっとも、国または地方公共団体が、国民に対して行政上の義務の履行を求める訴訟は、自己の権利義務の保護救済を目的とするものではないから、法律上の争訟にはあたらず、裁判所の審判の対象とならないとしました。

この判例には批判も多いところですが、結論はおさえておきましょう。

SOMEYA, M.

東京都生まれ。沖縄県在住。主に行政書士試験対策について発信しているブログです。【好き】沖縄料理・ちゅらさん・Cocco・龍が如く3

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