【民法】質権について、動産質や不動産質の対抗要件や使用・収益などのまとめ

民法
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民法の物権から質権について学習します。第9章「質権」は全4節で構成されています。

  • 第1節 総則
  • 第2節 動産質
  • 第3節 不動産質
  • 第4節 債権質

試験対策上、必要な範囲で学習しましょう。

民法>物権>質権

 

第1節 総則

質権の内容

質権者は、その債権の担保として債務者又は第三者から受け取った物を占有し、かつ、その物について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する(342条)。

質権者は、債務者等から受け取った物を占有し、かつ、優先弁済権を有します。

質権の設定

質権の設定は、債権者にその目的物を引き渡すことによって、その効力を生ずる(344条)。

質権は、債権者が占有する必要があることから、目的物を引渡すことによって、効力を生じます。

質権設定者による代理占有の禁止

質権者は、質権設定者に、自己に代わって質物の占有をさせることができない(345条)。

質権は、あくまで債権者が占有するため、質権設定者(多くの場合は債務者)に占有させることはできません。このことから、現実に物の占有が移転しない占有改定(183条)は引渡しに含まれません。

質権の被担保債権の範囲

質権は、元本、利息、違約金、質権の実行の費用、質物の保存の費用及び債務の不履行又は質物の隠れた瑕疵によって生じた損害の賠償を担保する。ただし、設定行為に別段の定めがあるときは、この限りでない(346条)。

質権は、元本をはじめ、質物の隠れた瑕疵によって生じた損害の賠償を担保します。これは、質権の総則に規定されていることから、動産質や不動産質を問わず、すべての質権が対象になります。

質物の留置

質権者は、債権の弁済を受けるまでは、質物を留置することができる。ただし、この権利は、自己に対して優先権を有する債権者に対抗することができない(347条)。

質権は、債権の弁済を受けるまで、質物を留置することができます。時計などを質に入れてお金を借りる質屋さんを想像するとわかりやすいと思います(といっても今はテレビなどでしか見る機会はないと思いますが)。

転質

質権者は、その権利の存続期間内において自己の責任で、質物について、転質をすることができる。この場合において、転質をしたことによって生じた損失については、不可抗力によるものであっても、その責任を負う(348条)。

質権者は、自己の責任で、質物をさらに質に入れることができます。これを転質といいます。

契約による質物の処分の禁止

質権設定者は、設定行為又は債務の弁済期前の契約において、質権者に弁済として質物の所有権を取得させ、その他法律に定める方法によらないで質物を処分させることを約することができない(349条)。

質権設定者、多くの場合、お金を借りた債務者は立場が弱いため、質権を設定する時点または弁済期前に、質権者に弁済として質物の所有権を取得や処分することを約することができないようになっています。

ここまでが質権に共通するものです。ここから、動産質、不動産質、債権質というように、それぞれの質権固有について定められた条文を学習します。もっとも、本試験対策として重要なのは総則なので、かんたんに確認するにとどめましょう。

第2節 動産質

動産質の対抗要件

動産質権者は、継続して質物を占有しなければ、その質権をもって第三者に対抗することができない(352条)。

動産質権者は、継続して質物を占有する必要があります。なお、あくまで第三者に対抗することができないだけであって、占有を失ったからといって、質権が消滅するわけではないので注意しましょう。一方、占有という事実状態が必要である留置権は、占有を失うことによって消滅する点と比較しましょう(302条)。

第3節 不動産質

不動産質権者による使用及び収益

不動産質権者は、質権の目的である不動産の用法に従い、その使用及び収益をすることができる(356条)。

不動産質権者は、不動産を使用・収益することができます。

第4節 債権質

債権を目的とする質権の対抗要件

債権を目的とする質権の設定は、第467条[債権の譲渡の対抗要件]の規定に従い、第三債務者にその質権の設定を通知し、又は第三債務者がこれを承諾しなければ、これをもって第三債務者その他の第三者に対抗することができない(364条)。

債権についてはまだ学習していませんが、債権質の対抗要件は、債権の譲渡の対抗要件の規定に従います。

まとめ

最後に、かんたんに動産質、不動産質、債権質についてまとめます。

動産質 不動産質 債権質
対抗要件 占有の継続 登記 通知または承諾
使用収益 なし あり なし

まず、対抗要件について、動産質は占有の継続が必要になります(352条)。不動産質については、質権の条文としては定められておらず、177条の規定「不動産に関する物権の得喪及び変更は、その登記をしなければ、第三者に対抗することができない。」)に従い、登記が必要になります。債権質は、まだ債権について学習していませんが、債権の譲渡の対抗要件の規定に従った方法になります(364条、467条)。

本試験対策としては、動産質を対抗するには占有の継続が必要であること、不動産質は使用収益が認められていることをおさえておきましょう。

SOMEYA, M.

東京都生まれ。沖縄県在住。主に行政書士試験対策について発信しているブログです。【好き】沖縄料理・ちゅらさん・Cocco・龍が如く3

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