会社法の株式会社の機関から会計監査人について学習します。
会計監査人の権限等
会計監査人は、株式会社の計算書類等を監査します。会計参与が取締役と共同して計算書類等を作成するのと比較しましょう。
会計監査人は、会計に関する報告を求めたり、会社の業務や財産の状況の調査をすることができます。
ここで、会計監査人の資格等についてみておきましょう。
会計監査人の資格等
会計監査人は、公認会計士とその法人である監査法人である必要があります。会計参与が税理士・税理士法人が含まれている点と比較しましょう。公認会計士と税理士に上下があるわけではありませんが、より会計のプロフェッショナルである公認会計士だけが会計監査人になることができます。なお、公認会計士と税理士については、弁護士と司法書士のような立ち位置を考えるとわかりやすいと思います。
会計監査人の任期
会計監査人の任期は1年です。
株主総会において別段の決議がされなかったときは、会計監査人は再任されたものとみなされます。商業登記法では、株主総会が開催されて別段の決議がされなかったときは、会計監査人の重任登記をすることになります。
会計監査人を置く株式会社を会計監査人設置会社といいます(2条11号)。会計監査人を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、会計監査人の任期は満了します。
ここで、「会計監査人」の条文に戻ります。
監査役に対する報告
会計監査人は、取締役の職務の執行に関し不正の行為等を発見したときは、遅滞なく、監査役に報告します。株式会社全体について監査するのが監査役、会計に関する部分を監査するのが会計監査人と考えると、何かあったときには監査の親玉である監査役に報告しなければならないということが理解しやすいと思います。
これを考えると、会計監査人設置会社(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役を置かなければならないことがわかります(327条3項)。カッコ書きについて、監査等委員会設置会社と指名委員会等設置会社はそれぞれ監査等委員である取締役、監査委員会という監査役にあたる機関があるため、除かれています。
定時株主総会における会計監査人の意見の陳述
第396条第1項[計算書類等]に規定する書類が法令又は定款に適合するかどうかについて会計監査人が監査役と意見を異にするときは、会計監査人(会計監査人が監査法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員。次項において同じ。)は、定時株主総会に出席して意見を述べることができる(398条1項)。
定時株主総会において会計監査人の出席を求める決議があったときは、会計監査人は、定時株主総会に出席して意見を述べなければならない(398条2項)。
会計監査人の報酬等の決定に関する監査役の関与
取締役は、会計監査人又は一時会計監査人の職務を行うべき者の報酬等を定める場合には、監査役(監査役が2人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならない(399条1項)。
監査役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「監査役(監査役が2人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは、「監査役会」とする(399条2項)。
会計監査人の独立性を強化するため、会計監査人の報酬等を定める場合には、監査役の同意を得る必要があります。