会社法の株式会社の機関から監査等委員会について学習します。監査等委員会は、通常の取締役の他に、監査の役割を担う取締役がいるというイメージを持つと理解しやすいと思います。
監査等委員会は、全3款で構成されています。ひとつずつみていきましょう。
第1款 権限等
監査等委員会の権限等
監査等委員会は、全ての監査等委員で組織する(399条の2第1項)。
監査等委員は、取締役でなければならない(399条の2第2項)。
監査等委員会は、次に掲げる職務を行う(399条の2第3項)。
① 取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の職務の執行の監査及び監査報告の作成
② 株主総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容の決定
③ 第342条の2第4項[監査等委員である取締役等の選任等についての意見の陳述]及び第361条第6項[取締役の報酬等]に規定する監査等委員会の意見の決定
監査等委員会は、全ての監査等委員で組織します。
この監査等委員は、取締役でなければなりません。
ここで、監査等委員会設置会社における取締役の選任方法を確認しましょう。
監査等委員会設置会社においては、「監査等委員である取締役」と「取締役」とを区別して選任します。このうち、監査等委員である取締役は、取締役の職務の執行の監査などの職務を行います。「監査等」を行う「取締役」なので、「監査等委員である取締役」といいます。
また、監査等委員である取締役は、3人以上で、過半数は、社外取締役でなければなりません。このことから、最低3人のうち2人以上が社外取締役でなければならないことがわかります。
さらに、監査等委員である取締役と取締役を区別して選任することから、監査等委員会設置会社の取締役は、最低でも4人以上(監査等委員である取締役3人、取締役1人)必要であることがわかります。
監査等委員会設置会社の取締役(監査等委員であるものを除く。)についての第1項の規定の適用については、同項中「2年」とあるのは、「1年」とする(332条3項)。
監査等委員会設置会社の取締役の任期は、1年となります。
また、監査等委員である取締役の任期は、かっこ書きで除かれているため、2年となります。
監査等委員会設置会社は、監査もできる取締役がいるため、通常の取締役会設置会社と比べて、任期が短くなっていると考えるとわかりやすいと思います。
通常の取締役会設置会社の取締役(2年)と監査役(4年)の関係と同じように、監査等委員である取締役の独立性を確保するために、取締役の任期の倍になっている点をおさえましょう。
監査等委員会設置会社は、監査等委員である取締役が監査を行うため、監査役を置いてはならないとされています。ここでは詳しくはみませんが、指名委員会等設置会社も同様、監査を行う者(監査委員)がいるため、監査役を置くことはできません。
監査等委員会による調査
監査等委員会が選定する監査等委員は、取締役等に対し、職務の執行に関する事項の報告を求めるなどができます。ここで大切なのは、監査等委員が独立してできるのではなく、監査等委員会が選定する監査等委員である点です。
取締役会への報告義務
監査等委員による取締役の行為の差止め
第2款 運営
※省略
第3款 監査等委員会設置会社の取締役会の権限等
監査等委員会設置会社の取締役会の権限
③ 監査等委員会設置会社
まず、前提として、監査等委員会設置会社は、取締役会を置かなければなりません。
① 重要な財産の処分及び譲受け
② 多額の借財
③ 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任
④ 支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止
⑤ 第676条第1号[募集社債に関する事項の決定]に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項
⑥ 第426条第1項[取締役等による免除に関する定款の定め]の規定による定款の定めに基づく第423条第1項[役員等の株式会社に対する損害賠償責任]の責任の免除
監査等委員会設置会社の取締役会も、通常の取締役会と同様、重要な財産の処分などは、取締役に委任することができないのが原則です。
例外として、監査等委員会設置会社の取締役の過半数が社外取締役である場合には、外部からの監査が期待できるため、重要な業務執行の決定を取締役に委任することができます。本試験では、この点が繰り返し問われているので、確認しましょう。