比較記事というと、「おすすめランキング」の形がよく見られます。順位を付けると、読者は上から選べばよいので、一見親切です。一方で、その順位が何を基準に、誰にとって付けられたものかは、読者には分かりません。
私は、比較の記事を書くときに、順位を付けない書き方を選んでいます。読者が、自分の条件に合うものを自分で選べるようにするためです。そのために決めている5つの決まりを紹介します。
決まり1:1つのページで答える問いは、1つにする
「どの予備校がよいか」と「予備校の中でどの講座を使うか」は、別の問いです。1つのページに両方を入れると、比べる基準が混ざり、表も読みにくくなります。
そのため、1つのページで扱う問いは1つにします。問いが変われば、ページを分けます。
決まり2:同じ種類のものだけを比べる
通学の講座と、独学用の本を同じ表に並べると、値段も使い方も違いすぎて、比べる意味がなくなります。比べるのは、同じ種類のものだけにします。
決まり3:比べる基準を、先に示す
表を見せる前に、何を基準に比べるのかを書きます。たとえば、「料金」「期間」「教材の形」などです。基準が先に分かっていると、読者は自分にとって大事な基準の列だけを見て、選ぶことができます。
決まり4:表は、同じ基準ですべて埋める
ある選択肢には料金を書き、別の選択肢には書かない、という表では比べられません。すべての選択肢を、同じ基準で、同じ書き方で埋めます。分からない項目は、空けずに「公表なし」と書きます。
表を更新するときも、1つの選択肢だけを直さず、同じ基準の列をすべて見直します。ある選択肢だけ情報が古いまま残ると、比べる意味がなくなるからです。
決まり5:「おすすめ」「最強」と書かず、条件で書く
「いちばんおすすめ」と書く代わりに、「こういう条件の人には、こちらが合う」と書きます。たとえば、「通勤の時間に勉強したい人には、スマートフォンで見られる講座が合う」といった書き方です。
条件で書くと、どれを選ぶかは読者が決められます。書き手が順位を決めるより、読者の状況に合った選び方ができます。
順位を付けないことで、伝えられること
順位を付けないと、記事は「答えを教えてくれない」ように見えるかもしれません。しかし、比べる基準と事実を並べておけば、読者は自分の条件で答えを出せます。書き手の好みではなく、事実で選んでもらえる記事のほうが、読者に長く使ってもらえると考えています。
まとめ
順位やあおりを使わずに比べるために、1つのページで1つの問いに答え、同じ種類のものだけを比べ、基準を先に示し、表を同じ基準ですべて埋め、「おすすめ」ではなく条件で書いています。選ぶのは読者で、書き手は選ぶための事実をそろえる役です。

