伊藤塾の「うかる!行政書士」シリーズの各書について、特徴や使い方、メリット、デメリットまで解説します。
目次
「うかる!行政書士」のシリーズ
「うかる!行政書士」シリーズは、以下のものがあります。
- うかる!行政書士 入門ゼミ
- うかる!行政書士 総合テキスト
- うかる!行政書士 総合問題集
- うかる!行政書士 新・必修項目
- うかる!行政書士 直前模試
- うかる!行政書士 民法・行政法 解法スキル完全マスター
- うかる!行政書士 憲法・商法・一般知識等 解法スキル完全マスター
「うかる!行政書士」シリーズで初学者から合格まで対応できるようになっています。本シリーズは、問題集と過去問題集が分かれていないので、総合問題集で演習を積み重ねていくことになります。
『うかる!行政書士 入門ゼミ』の特徴と使い方
『うかる!行政書士 入門ゼミ』は、前年度の本試験前(11月頃)に発売される入門書です。
行政書士試験は、憲法、民法などの法令科目に加え、政治・経済・社会などの一般知識等も出題され、学習範囲が広いのが特徴。いきなり詳しく書かれた書籍で学習するのではなく、まずは試験の基本的な全体構造を理解することが重要です。
本書では、行政書士試験そのものや憲法、民法などの各科目の基礎知識、そして体系を、法律の勉強が初めてでもわかりやすくイメージできるようまとめてあります。最初に全体像を押さえておくと、本格的な学習に入ったときの理解度に差が出ます!
本書は、次年度の行政書士試験の受験を考えていて、「総合テキスト」が発売される前に学習を進めておきたい方におすすめです。「総合テキスト」は例年12月頃に発売されるので、それより前から学習を始めることで盤石な基礎を作ることができます。
また、「総合テキスト」が発売されている時点で勉強を始める方も本書を通して全体像を作るのもおすすめです。伊藤塾さんは、基礎がとても充実しているので(レベルが低いという意味ではありません)個人的にも好きな教材のひとつです。
『うかる!行政書士 総合テキスト』の特徴と使い方
『うかる!行政書士 総合テキスト』は、行政書士試験の基本書です。フルカラーで図や表も多く使っているので、法律初学者の方でも理解しやすくなっています。ただし、本書は本試験に耐えられるレベルのものなので、初めて学習する方はできたら「入門ゼミ」を読んでおきたいところです。
また、行政書士試験に必要な条文を収録した、別冊「ハンディ行政書士試験六法」が付いています。条文を使った方が理解しやすい(≒理解が捗る)ところは、参照するとよいでしょう。
『うかる!行政書士 総合問題集』の特徴と使い方
『うかる!行政書士 総合問題集』は、『うかる!行政書士 総合テキスト』に準拠した問題集です。過去問題と伊藤塾オリジナル問題で構成されています。
多くの市販シリーズが、問題集、過去問題集、肢別問題集のように分けられているのに対し、伊藤塾の問題集は基本的にこの1冊です。本書を繰り返し、重要論点を習得できるようにしましょう。
試験直前期は、本試験と同じ並びで問題を解かないと不安だと思うので、直前期は年度別の過去問集を使って本試験の形式に慣れておきましょう。
『うかる!行政書士 新・必修項目』の特徴と使い方
『うかる!行政書士 新・必修項目』は、行政書士試験合格に必要な項目の学習テーマに絞り込んだまとめ本です。表形式で整理してあるので比較しながら記憶しやすくなっています。
行政書士試験の直前期は、まとめ本が重宝します。憲法、行政法、民法、商法、基礎知識、範囲は幅広いですが、やっぱり大切なのは基本です。合格するまで何度となく「基本が大切」と言われて、「本当にそうなのかなあ」と疑心暗鬼になって(ときには枝葉末節なことに手を出してみたり)、合格すると「やっぱり基本が大切だった」と気づくものです。
本書は、まとめ本なので、あくまで基本の知識が理解できている方向けです。本書だけを使って丸暗記しようとすると苦行になるので、わからないところがあったら必ず「総合テキスト」に戻って、理解をするようにしましょう(理解をすれば暗記する労力が激減します)。
『うかる!行政書士 直前模試』の特徴と使い方
『うかる!行政書士 直前模試』は、2回分の模試を収録しています。また、特別付録として、伊藤塾のノウハウを凝縮した「合格への特別講義」を収録しています。試験の出題傾向や各科目を学習する際の注意点などの解説、模試に関連した知識を図表化しているので、「新・必修項目」と併用しながら知識を整理しておきましょう。
なお、模試の特別講義とまとめ本を2冊使うと不便なので、本書で必要だと思った部分はコピーするかメモに書き写すかして、「新・必修項目」に一元化するとよいでしょう。
『うかる!行政書士 解法スキル完全マスター』の特徴と使い方
『うかる!行政書士 解法スキル完全マスター』は、テキストと問題集を橋渡しするブリッジ教材です。いわゆる副読本に分類されます。テキストを読んでなんとなくわかった気はするけれど、問題をやってみるとわからないという方の強力な味方になってくれます。
本書は、2冊になっています。
- うかる!行政書士 民法・行政法 解法スキル完全マスター
- うかる!行政書士 憲法・商法・基礎知識等 解法スキル完全マスター
1冊は、民法と行政法なので、行政書士試験の主要科目です(得点比率で主要という意味です)。もう1冊はそれ以外の科目をまとめたものです。
解法を扱っている市販本はあまりないので、基本書を「うかる!行政書士」シリーズにしている方はもちろん、別シリーズを使っている方も問題が難しいという方は、本書を利用すると良いでしょう。
「うかる!行政書士」のルートまとめ
最後に、「うかる!行政書士」シリーズを活用したルートをまとめます。
- うかる!行政書士 入門ゼミ
- うかる!行政書士 総合テキスト
- うかる!行政書士 総合問題集
- うかる!行政書士 新・必修項目
- うかる!行政書士 直前模試
- うかる!行政書士 民法・行政法 解法スキル完全マスター
- うかる!行政書士 憲法・商法・一般知識等 解法スキル完全マスター
個人的に入門本はあまりすすめていないのですが、伊藤塾さんは基礎固めがとても優れているので、本シリーズに関しては「入門ゼミ」から入るのをおすすめします。その後、「総合テキスト」「総合問題集」を繰り返し、まとめ本、模試も活用します。テキストと問題集では理解しきれない方は、副読本として「解法スキル完全マスター」を必要に応じて足すとよいでしょう。
「うかる!」シリーズは、年度別の過去問がないので、直前期は『行政書士試験過去問集』(日本評論社)などの年度別過去問を購入するなどして、本試験の形式に慣れておきましょう。