民法の物権から担保物権について学習します。
担保とは、金銭債権の満足を確保するための法的な手段です。たとえば、銀行が1000万円のお金を貸すとき、もし、お金が返ってこなかったときのために、1000万円分の土地や建物などを担保にしてお金を貸します。
担保物権は、主に留置権、先取特権、質権、抵当権の4つがあります。これらは民法その他の法律によって定められている典型的なものなので、典型担保と呼ばれます。一方、法律によって定められていない非典型担保と呼ばれるものもあります。こちらは試験対策上、必要な範囲で学習します。
担保物権は、一定の要件を満たすと当然に成立する法定担保物権(留置権、先取特権)と、契約によって成立する約定担保物権(質権、抵当権)に分けられます。
試験対策として重要なのは、抵当権です。もっとも、抵当権以外の担保物権についても問われるので、まずは、担保物権がどのようなものか総論を学習し、次に、それぞれの担保物権について学習していきましょう。
担保物権の効力
担保物権には、優先弁済的効力、留置的効力、収益的効力があります。今の時点では抽象的かもしれませんが、全部の担保物権を学習したあとに改めて復習するようにしましょう。
(1)優先弁済的効力
優先弁済的効力とは、債務の弁済が得られないときに、目的物の有する価値から他の債権者に優先して弁済を受けることができる効力をいいます。なお、留置権には、優先弁済的効力はありませんが、物を留置することによって事実上優先弁済を受けることができます。
(2)留置的効力
留置的効力とは、債権の全部の弁済を受けるまで、目的物を留置することができる効力をいいます。
(3)収益的効力
収益的効力とは、担保の目的物の収益をすることができる効力をいいます。
担保物権の通有性
担保物権には、付従性、随伴性、不可分性、物上代位性があります。同じように、今の時点では抽象的だと思うので、担保物権を学習したあとに改めて復習するようにしましょう。
(1)付従性
付従性とは、債権が存在しなければ担保物権も発生せず、債権が消滅すれば担保物権も消滅する性質をいいます。
(2)随伴性
随伴性とは、被担保債権が第三者に譲渡されると、担保物権もこれに伴って第三者に移転する性質をいいます。
(3)不可分性
不可分性とは、担保権者は、被担保債権の全額の弁済を受けるまで、目的物の全部についてその権利を行使することができる性質をいいます。
(4)物上代位性
物上代位性とは、目的物の売却・賃貸・滅失・損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても優先弁済的効力を行使することができる性質をいいます。
