民法の物権から抵当権の総則について学習します。今回から担保物権の中心となる抵当権に入ります。
第10章「抵当権」は全4節で構成されています。
- 第1節 総則
- 第2節 抵当権の効力
- 第3節 抵当権の消滅
- 第4節 根抵当
今回は、抵当権の全体について規定する総則についてみていきましょう。
抵当権の内容
抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する(369条1項)。
地上権及び永小作権も、抵当権の目的とすることができる。この場合においては、この章の規定を準用する(369条2項。
抵当権は、占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、優先弁済権を有します。
たとえば、家を買うとき、銀行からお金を借ります。銀行は、お金を借りた人が返せなくなったときのために、家に抵当権を設定してもらいます。銀行は、お金が返ってこなかったときは、抵当権を実行して、競売にかけて、その代金から優先的に弁済してもらうことができるというのが抵当権の仕組みです。
もし、担保を設定してもらうとき、銀行が不動産を占有すると、お金を借りた人は家に住めなくなってしまいますし、銀行も従業員などに占有をさせなくてはならないので大変です。そこで、抵当権のような占有を移転させない担保物権が活躍します。
抵当権の効力の及ぶ範囲
土地と建物はあくまで別々のため、土地に設定した抵当権は、建物には及びません。もっとも、土地に抵当権を設定した場合、抵当地の上の建物を除き、抵当不動産に付加して一体となっている物に及びます。
付加して一体となっている物とは、本試験対策でいうと、石灯籠や取り外しのできる庭石などが該当します。
この場合、抵当権は土地に対する抵当権設定登記をもって、抵当権の効力から除外する等特段の事情のないかぎり、従物についても対抗力を有します(最判昭44.3.28)。
留置権等の規定の準用
抵当権は、留置権等の条文が準用されているので、不可分性、物上代位性があります。
