行政法を学習するときに使いたい基本書をまとめています。基本書の行政法を読んでみたけれど、イマイチ理解できない、より理解を深めたいという方向けに書いています。
『伊藤真の行政法入門』伊藤真の法律入門シリーズ
『伊藤真の行政法入門』(日本評論社)は、伊藤塾塾長である伊藤真先生が行政法の基礎について解説している本です。多くの基本書と違い、敬体(です・ます調)で書かれているため、行政法初学者でもやさしく理解できます。また、(伊藤塾長ならではで)憲法との関係についても言及してくれるので、「だからこうなっているのか」という、行政法の土台をつくることができます。
行政法の勉強を始めるときにいきなり本書から入る必要はありませんが、行政法の学習をする中でなんとなく理解できないというときは、本書を読んでみると、理解が深まるはずです。私は読み物としても面白くて好きな一冊です(伊藤塾さんはハードルを下げてくれるのが素敵だと思います)。
『行政法』有斐閣ストゥディアシリーズ
野呂 充、野口 貴公美、飯島 淳子、湊 二郎著『行政法』(有斐閣)は、有斐閣の入門テキストである「ストゥディアシリーズ」の一冊です。有斐閣さんは高レベルの基本書を得意とする印象がありますが、最近は入門向けも充実してきています。その中でも「ストゥディアシリーズ」は、人気度もひとつ頭が抜けているように感じます。
『行政法』
櫻井 敬子、橋本 博之著『行政法』(弘文堂)は、もっとも人気のある基本書のひとつです。著者名から「サクハシ」とも呼ばれています。このあたりは、司法試験などの基本書としても使われているので、通読するより気になった部分だけを読んでいくのが良いと思います。
また、著者のひとりである橋本先生は、判例集『行政判例ノート』も書いているので、本書と併せて読むとさらに理解が深まります(私もともにお気に入りです)。
参考:除外した本
今回、(レベルが高いため)除外したものをいくつかあげます。司法試験/予備試験またはそれ以上の本なので、行政書士試験等にはオーバーワークだと判断しました。
- 中原 茂樹『基本行政法』(日本評論社)
- 宇賀克也『行政法概説』(有斐閣)