今回のテーマは、東京都区部の指標の推移です。
それでは、実際に出題された問題を見てみましょう。
次の図2は、東京都区部のいくつかの指標の推移について、工業地区の面積、住宅地の平均地価、4階以上の建築物数のいずれかである。正しい組み合わせを選ぶ問題です。
東京都以外に住んでいる方のために補則します。東京都以外の県などでは、大阪市北区、名古屋市中区、福岡市博多区のように、市の中に行政区が設置されています。一方、東京都は、新宿区、渋谷区、港区のように、市町村に準ずる特別区(いわゆる東京23区)が設置されています。
今回は、この都区部の話です。なお、問題には出てきませんが、東京都区部ではない西側を多摩地域といいます(厳密には、伊豆諸島などの東京都島嶼部もありますが省略します)。
まず、東京都は、早くから工業化が進みましたが、その後は、東京都以外の周辺で工業化が進んできているため、現在は、工業地区の面積は減少しています。たしかに、今、東京と言ったときに工業を想像する方は少ないですよね。どちらかというとサービス業などのイメージがあると思います。
次に、住宅地の平均地価は、バブル経済期、1985年から1991年にかけて高騰しました。その後、バブル崩壊とともに急落し、現在は再び上昇しています。図にも特徴的な形がありました。
最後に、4階以上の建築物数について、現在、東京湾岸の埋立地は再開発が進められ、マンションの供給が増えてきていることから、都心回帰現象が生じています。ニュースなどを見ても、タワーマンション等が増えていることから想像しやすいと思います。
これらの情報を参考に問題を見てみましょう。
工業地区の面積は、減少しているので、クが当てはまります。
住宅地の平均地価は、バブル経済期に高騰している、カが当てはまります。
4階以上の建築物数は、上昇しているキが当てはまります。