労働安全衛生法の監督等について学習します。計画の届出等は、混乱しやすい部分なので、ひとつずつ整理していきましょう。
計画の届出等
厚生労働省令で定めるものは、特定機械等です(規則85条)。危険な若しくは有害な作業を必要とするものなどの設置等をするときは、危ないので労働基準監督署長に届け出る必要があります。
建設業のうち、重大な労働災害を生ずるおそれがある特に大規模な仕事を開始しようとするときは、厚生労働大臣に届け出る必要があります。特定機械等のときは労働基準監督署長でしたが、重大な労働災害を生ずるおそれがある特に大規模な仕事の場合は、届出先が厚生労働大臣になっていることに注意しましょう。なお、どのくらいの規模のものが該当するかというと、高さが300メートル以上の塔の建設の仕事、最大支間500メートル以上の橋梁の建設の仕事、長さが3000メートル以上のずい道等の建設の仕事などが規則で定められています(規則89条)。具体的な仕事を覚える必要はありませんが、イメージとしておさえておきましょう。
先ほどは、30日前までに厚生労働大臣に届け出ることになっていたのに対し、今回は14日前までに労働基準監督署長に届け出る必要があります。厚生労働省令で定めるものとしては、高さ31メートルを超える建築物等の建設等の仕事、最大支間50メートル以上の橋梁の建設等の仕事、ずい道等の建設等の仕事などがあります(規則90条)。どれも、先ほどより規模が小さくなっているのがわかります。
括弧書きで「(建設業に属する事業にあっては、前項の厚生労働省令で定める仕事を除く。)」となっているのは、2項に当てはまるものは、必然的に3項にも当てはまるためです。30日前までに厚生労働大臣に届け出ているのなら、労働基準監督署長への届け出は不要ということです。
さて、ここまでを整理しましょう。基本書では、労働基準監督署長、厚生労働大臣、30日前、14日前のように列挙されていて、かつ、表で見ると届出先がズレているので、暗記しにくい部分だと思います。
まず、1項の機械等のことなのか、2項と3項の建設業等の仕事のことなのかを分けて考えます。
1項の機械等の場合は、30日前までに労働基準監督署長に届け出ます。労働災害が起きるおそれがあるので労働基準監督署長に知らせておく、これが基本です。
2項と3項の建設業等の場合は、特に大規模な仕事のものは、30日前までに厚生労働大臣に届け出ます。重大な労働災害を生ずるおそれがあるため、届出先が厚生労働大臣になります。そして、そこまで大規模な仕事ではないものは、14日前までに労働基準監督署長に届け出ます。届け出る時期や届出先のスケールが小さくなっているのがわかります。
労働基準監督官の権限
労働者の申告
作業従事者は、事業場にこの法律又はこれに基づく命令の規定に違反する事実があるときは、その事実を都道府県労働局長、労働基準監督署長又は労働基準監督官に申告して是正のため適当な措置をとるように求めることができる(97条1項)。
事業者は、申告をしたことを理由として、作業従事者に対し、解雇その他不利益な取扱いをしてはならない(97条2項)。
