会社法の株式会社の株式の株式会社による自己の株式の取得から取得請求権付株式及び取得条項付株式の取得について学習します。
第3款「取得請求権付株式及び取得条項付株式の取得」は、全2目で構成されています。
- 第1目 取得請求権付株式の取得の請求
- 第2目 取得条項付株式の取得
ひとつずつ見ていきましょう。
第1目 取得請求権付株式の取得の請求
取得の請求
取得請求権付株式の株主は、株式会社に対して、当該株主の有する取得請求権付株式を取得することを請求することができる。ただし、当該取得請求権付株式を取得するのと引換えに第107条第2項第2号ロからホまでに規定する財産を交付する場合において、これらの財産の帳簿価額が当該請求の日における分配可能額を超えているときは、この限りでない(166条1項)。
前項の規定による請求は、その請求に係る取得請求権付株式の数(種類株式発行会社にあっては、取得請求権付株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない(166条2項)。
株券発行会社の株主がその有する取得請求権付株式について第1項の規定による請求をしようとするときは、当該取得請求権付株式に係る株券を株券発行会社に提出しなければならない。ただし、当該取得請求権付株式に係る株券が発行されていない場合は、この限りでない(166条3項)。
取得請求権付株式の株主は、取得請求権付株式を取得することを請求することができます。ただし、分配可能額を超えているときは、請求することはできません。
効力の発生
商業登記法では、効力の発生日を記述することがあるので、いつ効力が発生するのかをおさえましょう。
第2目 取得条項付株式の取得
取得する日の決定
第107条第2項第3号ロ[取得条項付株式]に掲げる事項についての定めがある場合には、株式会社は、同号ロ[株式会社が別に定める日]の日を株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって定めなければならない。ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない(168条1項)。
第107条第2項第3号ロの日を定めたときは、株式会社は、取得条項付株式の株主及びその登録株式質権者に対し、当該日の2週間前までに、当該日を通知しなければならない(168条2項)。
前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる(168条3項)。
株式会社は、取得条項付株式について、取得する日を株主総会等で決定します。
取得する株式の決定等
株式会社は、取得条項付株式を取得しようとするときは、その取得する取得条項付株式を決定しなければならない(169条1項)。
前項の取得条項付株式は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって定めなければならない。ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない(169条2項)。
第1項の規定による決定をしたときは、株式会社は、取得条項付株式の株主及びその登録株式質権者に対し、直ちに、当該取得条項付株式を取得する旨を通知しなければならない(169条3項)。
前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる(169条4項)。
株式会社は、取得条項付株式を取得しようとするときは、株主総会等で、どの取得条項付株式を取得するか決定をする必要があります。決定をしたときは、株主等へ通知をします。
効力の発生等
株式会社は、取得の事由が生じた日に、取得条項付株式を取得する(170条1項)。
まとめ
取得請求権付株式の取得の請求と取得条項付株式の取得について見てきました。取得請求権付株式は、株主から会社に対して取得を請求するもの、取得条項付株式は、会社から株主に対して取得をするものというように方向が逆になっている点を意識しましょう。