会社法の株式会社の機関から監査役について学習します。
監査役の権限
監査役は、取締役や会計参与の職務の執行を監査します。
ここで、「株主総会以外の機関の設置」から監査役の資格等についてみておきましょう。
監査役の資格等
監査役の資格等は、取締役の規定を準用します。
監査役は、監査をすることが職務であるため、子会社の取締役等を兼ねることができません。
監査役の任期
監査役の任期は、原則4年です。取締役が原則2年であったことと比較しましょう。監査役の身分を保障することによって、独立した立場で監査をできるようにしています。
非公開会社の場合、定款によって、10年以内まで伸長することができます。もっとも、監査役は身分を保障するために任期が長くなっているため、任期を短くすることはできない点に注意しましょう。
監査役の任期を短くすることはできませんが、補欠として選任された監査役Bの任期を退任した監査役Aの任期の満了する時までとすることはできます。元々、監査役Aがここまで任期があったという時まで保障すれば監査役の任期を長くした趣旨に反しないと考えるとわかりやすいと思います。
① 監査役を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更
② 監査等委員会又は指名委員会等を置く旨の定款の変更
③ 監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めを廃止する定款の変更
④ その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを廃止する定款の変更
1号について、監査役を置く株式会社を「監査役設置会社」といいます(2条9号)。監査役を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合、監査役を置くことができないので、監査役の任期は満了します。
2号について、監査等委員会と指名委員会等設置会社では、それぞれ監査等委員である取締役、監査委員会という監査をする役職があるため、これらの機関を設置する場合は、監査役の任期は満了します。
3号について、「監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定め」があると、その会社の監査役は、監査の範囲が会計に関するものに限定されます。この定款の定めが廃止されると、監査の範囲が取締役の職務の執行の監査まで広がるため、新たに監査役を選任し直すと考えるとわかりやすいと思います。
4号について、譲渡制限の定めを廃止する定款の変更をするということは、公開会社になるということです。公開会社は企業統治、いわゆるコーポレート・ガバナンスの強化が求められるため、取締役や監査役など役員を選任し直す必要があると考えるとわかりやすいと思います。
監査役の任期等がわかったところで、「監査役」の条文に戻ります。
取締役会への出席義務等
監査役は、取締役会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。ただし、監査役が2人以上ある場合において、特別取締役による議決の定めがあるときは、監査役の互選によって、監査役の中から特に取締役会に出席する監査役を定めることができる(383条1項)。
監査役は、前条に規定する場合において、必要があると認めるときは、取締役(第366条第1項ただし書[招集権者]に規定する場合にあっては、招集権者)に対し、取締役会の招集を請求することができる(383条2項)。
前項の規定による請求があった日から5日以内に、その請求があった日から2週間以内の日を取締役会の日とする取締役会の招集の通知が発せられない場合は、その請求をした監査役は、取締役会を招集することができる(383条3項)。
監査役は、取締役会に出席する義務がある点をおさえましょう。
監査役による取締役の行為の差止め
監査役は、取締役の行為の差止めをすることができます。
監査役の報酬等
監査役の報酬等は、定款にその額を定めていないときは、株主総会の決議によって定める(387条1項)。
監査役が2人以上ある場合において、各監査役の報酬等について定款の定め又は株主総会の決議がないときは、当該報酬等は、前項の報酬等の範囲内において、監査役の協議によって定める(387条2項)。
監査役は、株主総会において、監査役の報酬等について意見を述べることができる(387条3項)。
監査役の報酬等は、株主総会の決議によって定めます。
定款の定めによる監査範囲の限定
非公開会社は、監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨を定款で定めることができます。もっとも、監査役会設置会社や会計監査人設置会社は監査役を置く必要があるため除かれます。