【民法】不法行為について、責任無能力者と監督義務者等の責任まとめ

民法
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ここでは、民法不法行為における責任無能力者と監督義務者等の責任について解説します。不法行為は、709条から724条の2にわたって規定されています。前回は、その中から全体的な流れについて触れてきました。今回は、不法行為をした者が責任無能力者だった場合はどうなるかというものです。



責任能力

責任能力

未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負いません(712条)。

不法行為だと弁識すること(知ること)ができない場合は責任を負わないということです。

精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、その賠償の責任を負いません。ただし、故意または過失によって一時的にその状態を招いたときは、この限りではありません(713条)。

精神上の障害の場合も同様です。たとえば、飲酒による酩酊などがあります。ただし、故意または過失によってその状態を招いたときは、加害者を保護する必要はないので、賠償する責任を負います。ここでも原則(本文)と例外(但書)を押さえておくようにしましょう。

ここまでで、責任無能力者は責任を負わないことがわかりました。しかし、これでは不法行為をされた被害者がかわいそうなので、監督義務者等の責任が規定されています。

責任無能力者の監督義務者等の責任

責任無能力者の監督義務者等の責任

責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負います。ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき、またはその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは、この限りではありません(714条1項)。監督義務者に代わって責任無能力者を監督する者も責任を負います(714条2項)。

まず、責任無能力者を監督する法定の義務を負う者、責任無能力者を監督する者は責任を負います。かんたんにいうと、子の法定代理人である親が責任を負うということです。

SOMEYA, M.

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東京都生まれ。沖縄県在住。主に行政書士試験対策について発信しているブログです。【好き】沖縄料理・ちゅらさん・Cocco・龍が如く3

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