ここでは、憲法の天皇について学習します。
憲法は、全11章、103条で構成されています。
- 第1章 天皇
- 第2章 戦争の放棄
- 第3章 国民の権利及び義務
- 第4章 国会
- 第5章 内閣
- 第6章 司法
- 第7章 財政
- 第8章 地方自治
- 第9章 改正
- 第10章 最高法規
- 第11章 補則
ここでは、あくまで行政書士試験対策として必要な範囲で、条文・判例を中心に学習を進めます。
天皇に対して損害賠償を求めた住民訴訟において、判例は、「天皇は日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であることにかんがみ、天皇には民事裁判権が及ばないものと解するのが相当である。」としています(最判平1.11.20)。
本試験では、天皇について民事裁判権が及ぶか判例の知識が問われています。
憲法上の象徴としての天皇には民事裁判権は及ばないが、私人としての天皇については当然に民事裁判権が及ぶ。(平29-3-5)
正誤:☓
皇室典範とは、皇室に関する事項を定めた法律です。なお、皇位が世襲のものであることについて定めているのは、憲法であって、男系の男子が継承することについて定めているのは、皇室典範です。
天皇の国事行為については後述します。
天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない(4条1項)。
天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる(4条2項)。
摂政は、歴史の授業で学んだことがあると思います。皇室典範をみておきましょう。
天皇が成年に達しないときは、摂政を置く(皇室典範16条1項)。
天皇が、精神若しくは身体の重患又は重大な事故により、国事に関する行為をみずからすることができないときは、皇室会議の議により、摂政を置く(同2項)。
このようなときは、摂政を置きます。そして、摂政を置くほどではない、たとえば体調不良など、一時的に国事行為を行うことができないときは、委任をすることができます(4条2項)。
天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する(6条)。
天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する(6条2項)。
統治のところで改めて学習しますが、行政権のトップである内閣総理大臣、司法権のトップである最高裁判所長官は、天皇が任命するとおさえておきましょう。
天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ(7条)。
① 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
② 国会を召集すること。
③ 衆議院を解散すること。
④ 国会議員の総選挙の施行を公示すること。
⑤ 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。
⑥ 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
⑦ 栄典を授与すること。
⑧ 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
⑨ 外国の大使及び公使を接受すること。
⑩ 儀式を行ふこと。
本試験では、天皇の国事行為が出題されます。
天皇が任命するのは、行政権と司法権のトップだけであって、国務大臣などは認証です。本試験では、あとで学習する内閣総理大臣の任免権などと引っ掛けてくるので、整理をしておきましょう。
国務大臣は、内閣総理大臣の指名に基づき、天皇が任命する。
(平26-6-2)
正誤:☓
皇室が特定の者と特別な関係を結ばないようにするため、皇室の財産の譲り渡し等をすることは、国会の議決が必要になります。
本試験では、国会の議決に基づく必要があるか問われています。
正誤:☓
まとめ
第1章「天皇」では、条文や判例知識が問われます。天皇の国事行為については、国会・内閣・裁判所などの統治分野を学習したあとに過去問演習をする中で知識を紐づけていきましょう。