今回のテーマは、従属人口指数です。
それでは、実際に出題された問題を見てみましょう。
図5は、いくつかの国における、将来予測を含む従属人口指数の推移を示したものであり、①〜④は、日本、エチオピア、中国、フランスのいずれかである。日本に該当するものを選ぶ問題です。
まず、従属人口指数とは、生産年齢人口以外(年少人口と老年人口)を生産年齢人口で割ったものに100をかけて算出したもので、100人の生産年齢人口で何人の年少人口と老年人口を支えているかを表します。たとえば、従属人口指数が60の場合、100人で60人を支えていることになります。
人口転換は、その国の経済発展に合わせて、多産多死型、多産少死型、少産少死型へ変化していきます。たとえば、アフリカ諸国のような発展途上国は多産多死型であり、その後、医療の普及により多産少死型になり、日本など多くの先進国では少産少死型になります。
今回は、国ごとの特徴というより、問題の図から考えてみましょう。
①〜④のうち、④だけは従属人口指数が下がっています。国の人口が増え、生産年齢人口が増えているということから、④はエチオピアが当てはまります。
そして、①〜③は上昇しています。上昇しているということは、老年人口が増えている先進国であることがわかります。このうち、①は、急激に上昇していることから日本であることがわかります。
②は、早くから上昇しており、近年は少子化対策をしていることからフランスであることがわかります。
③は、1979年から一人っ子政策を始めたことにより生産年齢人口が相対的に増えたものの、近年は少子化により高齢化が進んでいる中国が当てはまります。