【地理】インドと中国周辺におけるPM2.5の濃度について、1月と7月の広がり方など

地理

今回のテーマは、インドと中国周辺におけるPM2.5の濃度です。

それでは、実際に出題された問題を見てみましょう。

次の図7は、インドと中国周辺におけるPM2.5の地表面での濃度を示したものであり、SとTは、2018年の1月と7月のいずれかである。図7に関することがらについて述べた文章中の空欄マとミに当てはまる語句の組み合わせとして最も適当なものを選ぶ問題です。

 

まず、インドと中国では、工場などからの煙や自動車の排ガスによる大気汚染が問題となっています。原因物質の一つであるPM2.5は、周辺の国に飛来しています。

PM2.5について、環境省のQ&Aを見てみましょう。

PM2.5(Particulate Matter2.5/微小粒子状物質)とは、大気中に浮遊する小さな粒子のうち、粒子の大きさが2.5µm(1µm=1mm の1000分の 1)以下の非常に小さな粒子のことです。

PM2.5は粒子の大きさが非常に小さいため、肺の奥深くまで入りやすく、喘息や気管支炎などの呼吸器系疾患への影響のほか、肺がんのリスクの上昇や循環器系への影響も懸念されています。

そんなPM2.5ですが、季節によって広がりに違いがあります。ここで、季節風を考えましょう。季節風は、冬は大陸から海へ吹き、夏は海から大陸へ吹きます。

本問をみると、PM2.5は、Sが海の方に向かって広がっているのに対して、Tは大陸の方に広がっていることがわかります。このことから、Sが1月、Tが7月となります。

続いて、原因となる物質が複数の国にまたがって拡大していく環境問題の例として、「海洋ごみの漂着」があげられます。海洋ごみの多くを占めるプラスチックは、海の生物たちに影響を与えることから問題となっています。

もうひとつの選択肢である「土地の塩性化」は、乾燥地帯などで過剰な灌漑が行われることによって起こります。灌漑をすると、その水は土壌に吸収されます。このとき、気温が高く乾燥していると水が蒸発しやすくなります。しかし、蒸発するのは水分だけで地下水や土壌に含まれる塩分はそのまま土の表面に残ります。この塩分が蓄積していくと、次第に土壌中の塩分濃度が高くなり、これが塩性化(塩害)です。土地が塩性化すると、植物が育たなくなり、結果として、枯れてしまいます。

参考:微小粒子状物質(PM2.5)に関するよくある質問(Q & A)|環境省

今回わかったこと

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