今回のテーマは、東南アジアと中央アメリカ周辺の大陸棚の分布です。
それでは、実際に出題された問題を見てみましょう。
大陸棚は大陸プレートの縁辺部に広がる。次の図1中のaとbのいずれかは東南アジア周辺、また、アとイのいずれかは中央アメリカ周辺の大陸棚の分布を正しく示したものである。東南アジア周辺と中央アメリカ周辺の大陸棚を正しく示した記号の組み合わせを選ぶ問題です。
大陸棚とは、ここでは水深200mより浅い海域とされています。大陸棚は、以前は大陸であったものが、沈水して形成されたと考えられています。このことから、大陸棚は大陸の周辺にでき、反対に、海洋プレートが潜り込み形成される海溝付近にはみられません。
本問をみると、フィリピン海溝のあたりに大陸棚が分布していないbが該当します。
次は、アメリカ大陸です。フィリピン海溝のことはわかっても、アメリカ大陸周辺のことがわからない方は多いと思います。そのようなときは、火山は海溝に沿ってできることを押さえましょう。
海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込む際、海洋プレートに含まれる水分や堆積物が一緒に沈み込みます。沈み込んだプレートの水分や堆積物は、高温のマントルと接触し、マントルが部分的に溶けてマグマができます。このマグマは周囲よりも軽いため、上昇していきます。上昇したマグマが地表に達すると、火山が形成されます。このため、海溝に沿った場所に火山帯ができることが多くなります。
アとイの太平洋側には火山が分布しています。火山が分布しているということは、それに沿って海溝があるということです。そして、海溝がある部分には大陸棚はないので、アが該当します。