ここでは,琉球大学(医学部医学科を除く,以下同じ)に合格するための共通テストの地理総合,地理探求の対策方法について解説します。あくまで一例なので,参考にしてみたり,「自分はこう思う」という方は,ぜひ自分の方法で対策してみてください。
なお,琉球大学のほとんどの学部では,地理は「地理総合,地理探求」として選ぶことになっています。理学部や農学部,医学部など理系学部の一部の学科では,地歴公民として「地理総合,歴史総合,公共」が選べるようになっています。
目次
地理総合,地理探求のインプット
地理の参考書について
地理総合,地理探求のインプットは,教科書と資料集(学校で配られたもの)を中心に学習するのをおすすめします。地理の教材は体系的に書かれているので,インプットには最適です。
もっとも,さまざまな理由で授業についていけない,教科書では暗記に走らざるを得ないという場合は,参考書を取り入れた学習をおすすめします。この場合も豊富な図表が掲載されている資料集や地図帳は,適宜参照するようにしましょう。
参考書は,村瀬哲史『村瀬のゼロからわかる地理 系統地理編』『村瀬のゼロからわかる地理 地誌編』(Gakken)がおすすめです。2冊でボリュームがあるように感じますが,写真や表も多く使われており,何より理由付けがしっかりされているので,理解することで暗記量を減らすことができます。文章も敬体(です・ます調)でありながら,端的でとても読みやすいのが特徴です。
なお,系統地理では,世界の気候や地形,植生,土壌などについて学習します。「この気候ではこういう特徴があります」といったように,世界を気候ごと,地形ごとといったように分類します。一方,地誌では,ある特定の地域内の地理を学習します。たとえば,ヨーロッパの気候や地形,植生といった具合です。系統地理(横)と地誌(縦)から学習することで,知識を立体的に紡ぐことができます。
ほか,『きめる! 共通テスト地理』(Gakken)も定番の一冊です。こちらは,東進ハイスクールの山岡 信幸先生が書かれたもので,1冊にまとめられています。私はこちらも読んだのですが,地図や物などがデフォルメされたイラストで書かれていることが多く,正確な地図を見たかったので,村瀬先生の本を中心に学習することにしました(地図帳を見ればよいことではあります)。
また,『大学入学共通テスト 地理の点数が面白いほどとれる本』(KADOKAWA)も人気です。ただ,私は使っていませんでした(レイアウトやノリなど個人的な好みの関係です)。
インプットの最後として,『共通テスト 地理 集中講義』(旺文社)があります。必修40テーマにまとめて掲載しています。また,単元ごとに共通テストの過去問などが掲載されているため,体系的にインプットとアウトプットができるようになっています。ただし,本書は覚えることをコンパクトにまとめたものなので,最初のインプットは理解からできる参考書を選ぶようにしましょう。私は,地理については,本試験当日は本書だけを持っていきました。最終確認にぴったりの一冊です。
地理の映像授業について
ほかの科目では,映像授業を推奨することが多くありました。しかし,地理に関しては,現時点では,参考書を推奨しています。『スタディサプリ』は,扱っている問題が1990年代など極端に古いことと(古いことが一概に悪いわけではありません),「かんたんかんたん!」など気楽にしようとしてくれる気持ちはわかるのですが,生徒にとってはあまりそのような言葉は有用だとは感じなかったからです。
数学や理科で推奨している『Try IT(トライイット)』は,出だしは悪くないのですが,だんだん息切れしてしまう印象があったため(誤解を恐れずいうとわかりにくくなる),活用しませんでした。
地図帳について
地理では,地図帳を参照することも多くあります。しかし,毎回わからないところがある度に地図帳を参照するのは時間がかかるのも事実です。特にひとつの地域を見るのに全体が載っているページもあれば,拡大して掲載されているページなど,必要なページを探すのは一苦労です。
そこで,特に地図帳にしか書かれていない知識でなければ,「Googleマップ」などの地図アプリを活用するのをおすすめします。地名を入力すればすぐに該当の場所を示してくれます。また,地図を拡大してより細かく見ることも,縮小して俯瞰で見ることもかんたんにできます。私もヨーロッパやアフリカ,ラテンアメリカなど(自分にとっては)細かい国の並びなどを覚えるときに大活躍しました。
なお,学校の先生の中には,こういった技術を活用することを疎む方もいらっしゃるかもしれないので,そこは先生の指示に従っておきましょう。基本的には,計算機が普及してきたときに「そろばんを使いなさい」と言っていただろうことと同じなのだと思います。一方,自宅での受験勉強の際は,制限はないので,こういったツールを活用することも悪くなさそうです。
地理総合,地理探求の共通テストの問題集
ひととおりインプットができたら,問題集を使って演習をするのをおすすめします。ただ,もしインプットがひととおり終わったのが9月以降の場合は,いきなり過去問を使ってしまってもかまいません。
問題集は,前述の『共通テスト 地理 集中講義』をおすすめします。地理は,インプット教材にあるような一問一答を解いても本試験が解けるようにはなりません(用語を覚えることも大切です)。本書は,体系的に本試験と同じレベルの問題が解けるので,練習にはぴったりです。
地理については,解き方のような本も多くありますが(そして,支持する方も多いですが),個人的にはあまり必要ないかなと思っています(過去問の解説にも解き方は書いてあります)。もちろん,これは人によってさまざまなので,必要な方は足すのもよいのかもしれません。
地理総合,地理探求の共通テストの過去問
9月くらいからは,過去問を使った演習をしましょう。過去問は,『共通テスト過去問研究』(教学社),または『共通テスト過去問レビュー』(河合出版)がおすすめです。いわゆる「赤本」と「黒本」です。
一般的に黒本の方が解説が詳しいと言われています。ただ,最終的には好みなので,書店に行って確認するよにしましょう。個別試験対策ではおそらく赤本を使うことになるので,赤本の解説などの雰囲気に慣れておくという考え方もあります。私は,地理総合,地理探求は「黒本」を使っていました。
地理の共通テストは,過去問を解いてみると,まったく手が出ないということも珍しくありません。持っている知識がそのまま答えにならないというのが理由です。問題を解いていく中で,「自分はここの知識が足りないんだ」とか「こうやって解けばいいんだ」といったような課題が出てくると思います。
そうしたら,次は,自分に足りないところを埋めるように知識の穴をふさぐためにインプットしたり,演習をすることで自分が目指す点数が得られるように努めていきましょう。
地理総合,地理探求の共通テストの模試
12月くらい,ひととおり共通テストの過去問がわかってきたら,本試験形式の演習をするために,各出版社から発売されている模試を活用するのをおすすめします。代表的な模試として,『共通テスト総合問題集』(河合出版),『共通テスト実戦問題集』(駿台文庫),『共通テスト実戦模試』(Z会)があります。琉球大学の合格点を考慮すると,河合塾の『共通テスト総合問題集』でよいでしょう。ほかの2つだと,本試験のレベルを超えていて負荷がかかりすぎるように感じます。
まとめ
琉球大学に合格するための共通テストの地理総合,地理探求の対策方法について解説してきました。地理総合,地理探求は,日本史や世界史と比較して求められる知識の絶対量が少ないため,比較的短期間で習得できる科目です。とはいうものの,他の科目と同じように真摯にインプットをしてアウトプットをする練習をしなければ得点できません。問題を解きながら,わからなかったところ教科書や参考書に戻りながら,学習を進めていきましょう。