今回も、地理の共通テストレベルの問題を解けるようになるのが目標です。
今回のテーマは、鉄鉱石です。
それでは、実際に出題された問題を見てみましょう。
この問題から、産出量が多くても輸出量が多いとは限らないということが予想できます。
まず、鉄鉱石とは、鉄の原料となる鉱山資源です。
鉄鉱石は、安定陸塊から多く採掘されます。安定陸塊とは、かんたんにいうと先カンブリア時代の地層です。
先カンブリア時代とは、地球が誕生した約46億年前から約5億4100万年前までにあたる時代です。
ここで、主なエネルギー資源についてまとめると、安定陸塊からは鉄鉱石、古期造山帯からは石炭、新期造山帯からは石油が多く産出されます。これで、なんとなくどのあたりからどのエネルギー資源が多く産出されるかが予想できると思います。
参考:鉄の原料はどこからきているの? | 中学生・高校生・市民のための環境リサイクル学習ホームページ
鉄鉱石の産出量は次のとおりです。オーストラリアやブラジルなどは有名です。
こちらは、世界最大級の生産量を誇るカラジャス鉄鉱山 (Carajás) です。
続いて、輸出量です。1位と2位がオーストラリアとブラジルなのは変わりませんが、中国がランキングから外れたのがわかります。中国は産出量は多いですが、それを上回る消費量があるからです。つまり、自国で消費してしまうので、輸出に回す余裕はないということです。同じ理由で、インドも産出量では4位だったのに対し、輸出量では5位になっています。
今回の問題は、オーストラリアとブラジルが上位にいることではなく、中国が輸出量では上位にいないというのがポイントになっています。
最後は、輸入量を見てみましょう。1位は中国、鉄鉱石を多く産出しながら、輸出をするほどの余裕はないのはもとより、さらに輸入量でも1位になるほどの消費量なのはさすがです。あとは、日本や韓国、ドイツ、イタリアというように鉄鉱石から作られる鉄を使った自動車産業が強い国が上位にいるのがわかります。