今回も、地理の共通テストレベルの問題を解けるようになるのが目標です。
今回のテーマは、石炭の輸入相手国です。
それでは、実際に出題された問題を見てみましょう。
日本におけるアメリカ合衆国、インドネシア、オーストラリアのいずれかの石炭輸入量の推移を示したもの。組み合わせとして最も適切なものを選ぶ問題です。
日本の石炭の輸入先は、1位がオーストラリア、2位がインドネシア、そして、ロシア、アメリカ、カナダと続きます。
ここから、グラフのE、F、Gがわかります。ただ、このままだと丸暗記に等しくなってしまうので、もう少し詳しく見ていきましょう。
石炭は、地質時代の植物が堆積し、炭化し、可燃性物質となったものです。
参考:あらためて考える、日本における「石炭」の役割|エネこれ|資源エネルギー庁
石炭は、古期造山帯から多く産出されます。鉄鉱石が安定陸塊、石油が新期造山帯から多く産出されるのと比較しておきましょう。
それでは、ここからそれぞれの国を見ていきます。
オーストラリアは、世界有数の資源国です。
石炭は、オーストラリア東部のグレートディヴァイディング山脈周辺、地図で色が濃くなっている辺りから多く産出されます。
オーストラリアの人口は、約2,600万人。
国内市場がそれほど大きくないため、資源の多くは輸出されています。
次は、インドネシアです。首都はジャカルタ。
インドネシアというと発展途上国のようなイメージを持っている方もいるかもしれませんが、画像のような都市で驚きますよね。
おそらく多くの方が想像するのは、インドネシアのバリ島の雰囲気です。
インドネシアでは、スマトラ島やカリマンタン島から石炭が多く産出されます。
インドネシアは、採掘技術が進歩し、輸出量は、オーストラリアを抜いて1位です。
先ほどのランキングはあくまで日本から見た輸入量なので注意しましょう。石炭の世界の輸出量の1位はインドネシアです。
最後はアメリカ合衆国です。アメリカは、石炭の埋蔵量が世界1位です。
石炭は、主にアパラチア山脈周辺から産出されます。古期造山帯を考えると、どのあたりから何が産出されるかが連動してわかるようになります。
アメリカ合衆国の人口は約3.3億人です。国内市場が大きい、つまり消費量が多いため、輸出量はそれほど多くありません。
ここで、もう一度整理しておきましょう。グラフは、日本における石炭輸入量の推移です。1位はオーストラリア、2位はインドネシアと続きます。
そして、石炭について見てみましょう。埋蔵量の1位はアメリカ合衆国です。
そして、生産量の1位は中国です。
輸出量は、インドネシアが1位です。2位はオーストラリアが続きます。オーストラリアは、人口が少ないため、相対的に輸出量が多くなるという特徴をおさえておきましょう。
輸入量の1位は中国です。中国は人口が約12億人と圧倒的に多いので、輸入量や消費量が多くなります。
これで、採掘技術が進歩したインドネシア、国内市場が小さいオーストラリア、埋蔵量が多いアメリカ合衆国というようにキーワードが拾えるようになりました。