今回は、地理の共通テストレベルの問題を解けるようになるのが目標です。
ただ、普段の学校の授業でお腹いっぱいだと思うので、ここではゆったりと学んでいきましょう。
まずは、今回のゴールを知るために、実際に出題された問題を見てみましょう。
これで、本試験のレベル感がわかると思います。
イギリスとニュージーランドのいずれかの国土の標高別面積割合を示したものについては、国の地形の特徴を押さえます。
最初に、イギリスを見てみましょう。地図の色を見てもなだらかであることがわかります。
イギリスは、ペナイン山脈がありますが、もっとも高い場所で標高893mです。
参考までに、日本の富士山の標高が3,776m、東京でハイキングなどで人気の高尾山の標高が599mというのを考えると、それほど高くないことがわかります。
ヨーロッパは、アルプス山脈があるので、高い山のイメージがありますが、地中海沿岸の新期造山帯(アルプス・ヒマラヤ造山帯)を除けば、どちらかというと低い場所が多くなります。
参考:英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)|外務省
続いて、ニュージーランドを見てみましょう。ニュージーランドの場所がわからない方も多いと思うので、まずは、オーストラリアとの位置関係がわかるように見てみます。
拡大すると、南島にゴツゴツした山脈、サザンアルプスが見えます。
参考:ニュージーランド|外務省
イギリスは、都市のイメージで大丈夫です(画像はロンドン)。
こちらは、ビートルズの出身地としても有名な港町リバプールです。
ニュージーランドは、牧草地に山脈が広がっています。
もちろん、オークランドのような都市もありますが、
地理で学ぶときは、このような自然をイメージしておきましょう。
ということで、答えは、イがニュージーランドになります。
アは、標高1,000mほどの山が少しあるのがわかります。先ほどのペナイン山脈です。
続いて、森林と牧草地のいずれかを求めます。
この場合、土地利用割合の特徴に注目します。
ただ、Aは、イギリスとニュージーランドで顕著な特徴がないので比較しにくいです…。強いて言えば、イギリスの国土の半分くらいを占めているといえるでしょうか。
Bが、イギリスはニュージーランドと比較して極端に少ないということに注目します。
イギリスは、年中降水があるため、国土の半分近くが牧草地です。これで答えがわかったかもしれませんが、もう少し見てみましょう。そして、牧草地の割合が大きいので、大規模で生産性の高い商業的農業を行っています。
一方、イギリスの森林面積は、国土面積の約1割です。日本の森林面積が約7割なので、どれだけ少ないかがわかると思います。
イギリスは、以前は材木の輸出をしていました。しかし、産業革命で伐採をするなどの影響により、現在は、森林面積の割合は1割にまで低下してしまっています。国としても問題のようで、森林保全と再生に力を入れています。
続いて、ニュージーランドです。北島(North Island)は、酪農がさかんです。
南島(South Island)は、森林が多くあります。
それにしても、どうして森林が多いのでしょうか。ニュージーランドには偏西風が吹きます。そのため、風上である山脈の西側は森林が多くなります。
一方、風下である山脈の東側は乾燥しやすく、羊の放牧がさかんです。
これは湿度に弱い羊毛(ウール)を想像するとわかりやすいと思います。
ということで、答えは、Aが牧草地(Bが森林)です。
イギリスもニュージーランドも牧草地が多いので、牧草地で判断するのは、イギリスの国土面積の約半分が牧草地であることを知っていないと少し難しいかもしれません。
それよりも、イギリスは森林が少ないということで判断する方がかんたんだと思います。