琉球大学の個別学力検査(二次試験)の英語の対策について

高校生

ここでは,琉球大学(医学部医学科を除く,以下同じ)に合格するための個別学力検査(二次試験)の英語の対策方法について解説します。あくまで一例なので,参考にしてみたり,「自分はこう思う」という方は,ぜひ自分の方法で対策してみてください。

共通テスト対策をしよう

一般的に,共通テストと二次試験がある学校の場合,二次試験の対策をしながら,共通テスト直前になってから共通テスト対策を始めることが多いと思います。もちろん,その流れで学習しても問題ありません。たしかに,難関大学になるほど,二次試験が実質的な本番になり,共通テストは高得点を取れて当たり前という前提があるからです。

一方,共通テストの方がレベルが高い,または共通テストと二次試験同じくらいのレベルの場合は,共通テストの対策をしていれば,自然と二次試験の対策もできるようになります。

ここで,琉球大学の英語のレベル感を考えると,共通テストに向けて対策をしていれば,長文読解会話文はそれで十分だといえます。これに国公立ならではの自由英作文を加えるイメージです。

長文読解の傾向と対策

大問1と大問2は長文読解です。内容は物語と評論文が多く出題されます。問題は,単語や熟語の同意表現,内容一致,指示を示した上での和訳問題などが出題されます。長文の内容自体は,レベルは決して高いものではありません。共通テストの長文読解対策(大問5・6)をしていれば,あとは過去問演習をして出題形式に慣れれば対策できます。

一方,文章量は,長文1つにつき約1000語ほどなので,大変に感じる方が多いと思います。言い換えると,設問は難しくはないけれど,文章量が多いということです。長文読解に時間がかかると時間が足りなくなってしまうため,長文を早く読むトレーニングが必要になります。そのためには,知っている単語を増やし,文法を学び,音読等で英文に慣れることをおすすめします。

会話文傾向と対策

大問3は,会話文です。設問形式は,毎年微妙に異なりますが,基本的には過去問で演習をしておけば十分です。また,会話文というと,会話文問題という問題集に手が伸びそうになりますが,基本的にはそのようなものは不要だと考えています。普段の文法の学習から,会話に対する呼応の表現などは学ぶことができるからです。そのためにも,文法はしっかり学習しておく必要があります。

自由英作文傾向と対策

大問4は,自由英作文(150語)です。ここは共通テスト対策ではカバーできない部分なので,二次試験に特化した対策が必要になります。

英作文に関しては,いつから対策するかというのが,先生によってさまざまな意見があるところです。たとえば,すべてができてから対策を始めることを推奨する先生もいれば,高校3年生の春から並行して始めることを推奨する先生もいます。前者は,基礎が身についていない時点で始めても意味がないと考えますし,後者は,英作文が身につくには時間がかかると考えます。

私の個人的な考えでは,まったく基礎ができていない状態であれば(単語を知らない,文法がわからない),英作文を書くことはできないので,最初から並行するのは難しいように感じています。しかし,すべてが仕上がってから始めるのでは,遅いような気もします。

そこで,まずは単語や文法の学習をはじめ,ひととおりわかってきたという段階で,英作文を意識するのが良いのではないかと思っています。改めて,このあたりは人それぞれ感覚は違うと思うので,その人自身のペースに合わせて勉強するのがいちばんだと思います。

ただし,「始めるのが早すぎた」という場合は後ろに調整できますが,「始めるのが遅すぎた」という場合はリカバリーするのが難しいので,その点も考慮しておくとよいでしょう。

自由英作文の学習について,まずいきなり自由英作文から始めるのではなく,「英作文」から入り,次に「自由英作文」に進むのをおすすめします。英訳(英作文)がままらないまま,いきなり自由に書くのは,おそらく難易度が高いからです。

参考書としては,肘井学『正しく書ける英作文』『すぐ書ける自由英作文』(教学社)の組み合わせをおすすめします。『正しく書ける英作文』で英作文の型をつくり,『すぐ書ける自由英作文』で自由英作文の型をつくって,本番に臨めるようになります(体系的に理解できてとても使いやすいです)。

ほか,『関正生の英作文ポラリス[1 和文英訳編]』『関正生の英作文ポラリス[2 自由英作文編]』(KADOKAWA)の組み合わせもおすすめです。ただ,肘井先生の本は,1つの問題に対し1つの解答の中でメリット・デメリットに言及するのに対し,関先生の本は,設問に賛成の場合・反対の場合のように,2通りの解答例になっているので,記憶するのは大変かもしれません。

ほかにも定番の英作文の本もあるので,それらを参照するのもよいでしょう。私は,「スタディサプリ」で肘井先生や関先生の教え方に慣れていたのと,他の本は情報が古かったり,覚えるのが大変だったというのがあり,上記の本を使っていました(特に肘井先生の本おすすめです)。

過去問を使った演習

受験勉強を始める段階で,まず過去問を読んでみるのをおすすめします。そこで,このような問題が出題されるのかというゴールを知りましょう。なお,この時点で問題が解けなくてもまったく問題はありません。まずは,ゴールを知り,自分はどのくらい学習する必要があるのかを測ることが重要です。

琉球大学の過去問は,『大学入試シリーズ 琉球大学』(教学社)を使います。いわゆる「赤本」です。1冊には,3年分の過去問が収録されています。

「過去問は何年分やればいいか」については,人それぞれ意見があります。赤本でも難関大学では,20年分などがまとめられているので,そのくらいやる必要があるのかと感じる方もいると思います。

これについても,人によるというのが正直なところなのだと思います。しっかり基礎ができている方は,二次試験の出題形式を知るために3年分(1冊)をやれば十分という方もいるでしょう。また,できるだけ多くの過去問にあたっておきたいと考える方もいらっしゃると思います。

ひとつのメルクマール(指標)として,琉球大学では,2013年以降,現在の試験と同じような形式になっているので(それ以前は英作文の形式が異なっていたり,リスニング試験がありました),2013年以降の問題を演習するという考え方もできます(私はこうしました)。

なお,赤本1冊には3年分の過去問が収録されているので,たとえば,

  • 2025年版(2024,2023,2022を収録)
  • 2022年版(2021,2020,2019を収録)
  • 2019年版(2018,2017,2016を収録)
  • 2016年版(2015,2014,2013を収録)

このように購入する方法があります。

中には,手に入りづらい(なかったり,高価だったり)場合もあるので,そのときは年度をズラして購入するなど,あくまで目的は大学に合格することであって,過去問を完璧にそろえることではないという,完璧主義に陥らないようにすることも大切です(あくまで私見です)。

また,琉球大学の過去問は,例年9,10月頃に発売されるため,それまでは前年のものを買っておくことをおすすめします。そして,最新年版が発売されたら,それを買って直近の演習をします。

ほか,琉球大学が直近数年分の「入試データ・過去問」を公開しているので,特に英作文の模範解答については,こちらを参照しましょう。さらに,東進ハイスクールが「過去問データベース」として,琉球大学の過去問を閲覧できるようにしています。解説はありませんが,過去問の変遷などを調べるときは,こちらを参照するのもよいでしょう。

琉双舎

琉双舎

沖縄発の高校/大学受験向けの個人指導塾・家庭教師「琉双舎」の公式サイトです。

特集記事

TOP
CLOSE