今回は、社労士試験の模試についてお話します。
試験直前期は、模試の受験が推奨されています。「推奨されています」というと、なんだか他人事のようですが、私自身は、模試を積極的に受けたことはありません。もっとも、LECさんを使っていたので、そこで配布される模試(答練)は、ひととおり自室でこなしていました。
ここでは、模試を受けることについてみていきましょう。なお、これは模試を受けることまたは受けないことを極端に推奨しまたはもう一方を陥れることを目的とするものではありません。法律家を目指す者として、両者を比較衡量をした上で、自分にとって合う方法を選んでみましょう。
試験合格に向けて必要なこと
まず、最終的な目標は、本試験に合格することです。もちろん、実務家になったあとに自己研鑽を続けなければならないことは言うまでもないですし、一方、士業登録をしない方もいらっしゃると思います。ただ、直近の目標として、本試験に合格することには違いありません。
模試を受けるのは、本試験に合格するためのひとつの手段である点を忘れないようにしましょう。
模試を受ける利点
次に、模試を受ける利点について考えてみましょう。利点に対して欠点(模試の受験料含む)が上回る方は、模試を受験しないことを選ぶことになります。これは人それぞれなので、あまり周囲の雑音は意識しないようにするのをおすすめします。
模試を受ける利点として多くあげられるのが、本試験の雰囲気を体験することです。これには、会場に行って、本試験と同じ時間帯で、本試験と同じ並び順の新作問題を、周囲の鉛筆の音を聞きながら解くなどが含まれます。ここで、それぞれの項目について、もう少し具体的にみてみましょう。
会場に行くこと
会場に行くこと自体は、模試を通さなくてもすることができます。もっとも、次にもつながりますが、本試験と同じ時間帯になるように準備をして、試験会場に向かうことは事前に考えておきましょう。
同じ時間帯
同じ時間帯に問題を解くことは、模試に参加しなくてもすることができます。選択式が80分、択一式が210分の中でどのような時間配分をするか考えておきましょう。もっとも社労士試験は、他の法律関係の資格試験と比較して、時間が足りなくなるということはまずないと思います。
同じ並び順の新作問題
同じ並び順の新作問題を解くことについては、意見が分かれるところだと思います。まず、同じ並び順ということについては、年度別過去問(「みん欲し」など)を解くことによってもすることができます。もっとも、模試を受けようとする時期までに過去問をすべて理解したという方は、反射的に解けてしまうと思うので、市販の模試などの新作問題を用意するのがよいでしょう。
新作問題について、模試を受けるにしろ、市販の模試を使うにせよ、新作問題を解くことになります。これが見解が分かれるところです。私は、予備校等が作った新作問題はあまりおすすめしません。というのも、本試験のレベルと比較して乖離があるからです。市販の予想問題集(模試に限らず)をやったことがある方はわかると思いますが、これらはかなり細かい規則などについても聞いてきます。これらが悪いとは言いませんが、細かいところに振り回されて、基礎が疎かになる点は否めません。
これには、本試験より難しい問題を解くことで、本試験がかんたんに感じるという意見もあるかもしれませんが、本試験のレベルとはベクトルや質が違うように感じます。もちろん、あくまで個人的な意見なので、新作問題をたくさんこなしたいという方を責めるつもりはありません。
個人的には、本試験問題ではないものに関しては、あくまで参考程度にして、基本書のインプットと過去問のアウトプットに戻るのをおすすめします。
同様の環境
本番と同様の環境で問題を解く、これは模試を受ける利点といえます。本試験では、思いもよらないことが起きます。たとえば、よくあることですが、私の座席はエアコンの真下だったため、夏の沖縄でもとても寒い思いをしました。長袖は用意しておくのをおすすめします。
模試の紹介
模試を受ける方法を紹介します。予備校等と市販の模試で検討しましょう。
予備校等の模試
LECさんやTACさんなど、社労士講座を扱っている予備校等では答練や模試を行っています。講座を受講している方は、自宅受験や会場受験が選べるのでこれらを活用しましょう。私は、自宅受験だったので、自宅でこれらを使って演習しました。
市販の模試
直前期は、各予備校から市販模試が発売されます。予備校等を使っていない方は、直前期は、これらを使って、本試験と同じ時間帯に問題演習をしておくのをおすすめします。
- 出る順社労士 当たる!直前予想模試(2回分)
- みんなが欲しかった! 社労士の直前予想模試(2回分)
- 本試験をあてる TAC直前予想模試 社労士(2回分)
基本的には、お使いの基本書のシリーズに合わせて選ぶと、解説などの雰囲気が統一していて使いやすいと思います。また、これらの模試は、法改正や直前予想論点なども掲載されているので、参考にするとよいでしょう。
まとめ
社労士の模試についてみてきました。
模試を受けるメリット(本試験の雰囲気を体験すること)が大きい方は、模試を受けましょう。仮に模試を受けないとしても、自宅で練習するのを推奨します。
次回の本試験、本試験の練習をして臨みましょう。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。