商業登記法の登記手続から商号の変更について学習します。
会社の商号の登記
会社の商号の登記は、会社の登記簿にする(34条1項)。
第28条[登記事項等]、第29条[変更等の登記]並びに第30条第1項及び第2項[商号の譲渡による変更の登記]の規定は、会社については、適用しない(34条2項)。
商号の登記のおさらいをすると、会社の商号の登記は、会社の登記簿にします。会社以外の商人の商号の登記は商業登記簿にしたことと比較しましょう。
また、会社以外の商人の商号の登記では、商号のほかに営業の種類、営業所、商号使用者の氏名を登記しましたが(28条2項)、会社の商号登記ではこれらは適用されないので、会社の商号の登記では、商号だけを登記することになります。もっとも、会社の登記簿では、営業の種類は「目的」、営業所は「本店」として登記することになります。
試験対策として、時系列を整理します。
会社(ここでは株式会社とします)を設立するとき、一定の事項を登記します。
① 目的
② 商号
③ 本店及び支店の所在場所
④ 株式会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め
⑤ 資本金の額
・・・
会社の設立の登記をするときは、「商号」を登記します。
もし、すでにある会社の登記を申請する場合、商号はすでに登記されているので、商号の変更があったとき、商号の変更の登記をすることになります。
以下、手続をみていきましょう。今回は最初なので、根拠条文なども載せています。
手続
① 目的
② 商号
③ 本店の所在地
④ 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
⑤ 発起人の氏名又は名称及び住所
商号は、定款の絶対的記載事項のため、商号を変更するには、定款を変更する必要があります。
定款を変更するには、株主総会の特別決議が必要になります。
登記申請
(1)登記の事由
「商号変更」とします。
(2)登記事項
変更年月日と変更後の商号を記載します。
(3)登録免許税
登録免許税は、申請1件につき3万円です(登録免許税法別表第1.24(1)(ツ))。
(4)添付書面
株主総会議事録を添付します。商号を変更するには、定款を変更する必要があり、定款を変更するには株主総会の決議が必要になるからです。
① 10名
② その有する議決権の数の割合を当該割合の多い順に順次加算し、その加算した割合が3分の2に達するまでの人数
また、株主リストの添付が必要になります。
代理人によって登記を申請するには、委任状の添付が必要になります。
(5)記載例
登記の事由 | 商号変更 |
登記事項 | 令和◯年◯月◯日変更 商号 株式会社カタちゃん |
登録免許税 | 3万円 |
添付書面 | 株主総会議事録 1通 株主リスト 1通 委任状 1通 |