商業登記法の登記手続から自己株式の取得について学習します。
① 第107条第2項第3号イ[取得条項付株式]の事由が生じた場合
② 第138条第1号ハ又は第2号ハ[譲渡等承認請求]の請求があった場合
③ 次条第1項[株主との合意による自己株式の取得]の決議があった場合
④ 第166条第1項[取得請求権付株式]の規定による請求があった場合
⑤ 第171条第1項[全部取得条項付種類株式]の決議があった場合
⑥ 第176条第1項[売渡しの請求]の規定による請求をした場合
⑦ 第192条第1項[単元未満株主の買取請求]の規定による請求があった場合
⑧ 第197条第3項各号[株式の競売]に掲げる事項を定めた場合
⑨ 第234条第4項各号[1に満たない端数の処理]に掲げる事項を定めた場合
⑩ 他の会社(外国会社を含む。)の事業の全部を譲り受ける場合において当該他の会社が有する当該株式会社の株式を取得する場合
⑪ 合併後消滅する会社から当該株式会社の株式を承継する場合
⑫ 吸収分割をする会社から当該株式会社の株式を承継する場合
⑬ 前各号に掲げる場合のほか、法務省令で定める場合
株式会社は、一定の場合に限り、自己株式を取得することができます。
まず、原則として、株式会社が自己株式を取得しても、登記事項に変更はありません。記述式問題では、会社が自己株式を取得する場面が出てきますが、会社が自己株式を取得しても、このことによって発行可能株式総数や発行済株式の総数、資本金が変わるわけではないので、登記は不要です。
もっとも、会社が自己株式を取得するのと引換えに株式や新株予約権を発行した場合、登記事項が変更するため、登記が必要になります。また、会社がどのような事由によって株式や新株予約権を取得するのか、それと引換えに何を発行するのかによって登記事項や添付書面が異なってきます。本試験では、これらの知識が問われるので、次回からひとつずつ整理して確認していきましょう。
今回は、株式会社が自己株式を取得しても、登記事項に変更はないという原則をおさえましょう。