会社法の株式会社の株式の株式の併合等から株式の併合について学習します。
株式の併合等は、全3款で構成されています。
- 第1款 株式の併合
- 第2款 株式の分割
- 第3款 株式無償割当て
株式の併合等は、択一だけでなく記述式でも重要になるのでひとずつおさえていきましょう。
株式の併合
株式会社は、株式の併合をすることができる(180条1項)。
株式会社は、株式の併合をしようとするときは、その都度、株主総会の決議[特別決議]によって、次に掲げる事項を定めなければならない(180条2項、309条2項4号)。
① 併合の割合
② 株式の併合がその効力を生ずる日(効力発生日)
③ 株式会社が種類株式発行会社である場合には、併合する株式の種類
④ 効力発生日における発行可能株式総数
前項第4号の発行可能株式総数は、効力発生日における発行済株式の総数の4倍を超えることができない。ただし、株式会社が公開会社でない場合は、この限りでない(180条3項)。
取締役は、第2項の株主総会において、株式の併合をすることを必要とする理由を説明しなければならない(180条4項)。
株式会社は、株式の併合をすることができます。株式の併合は、100株を1株にするなどにすることによって、少数派株主を現金を対価として会社から退出させるキャッシュ・アウトの手段として用いられます。
株式の併合は、1株に満たない端株が生じ、株主に不利益を生ずるおそれがあるため、株式の併合をしようとするときは、特別決議が必要になります。株式の併合をすることによって、また、既存株主の持ち株比率の低下に歯止めをかけるため、公開会社では、発行可能株式総数は、発行済株式の総数の4倍を超えることができません。そして、取締役は、株式の併合をすることを必要とする理由を説明しなければなりません。
株式の併合は、株主にとって不利であるという価値判断を持つと理解しやすくなると思います。
株主に対する通知等
株式会社は、効力発生日の2週間前までに、株主(種類株式発行会社にあっては、前条第2項第3号の種類の種類株主。以下この款において同じ。)及びその登録株式質権者に対し、同項各号に掲げる事項を通知しなければならない(181条1項)。
前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる(181条2項)。
株主を保護するために、株式会社は、効力発生日の2週間前までに、株主等に通知をしなければなりません。記述式対策として、公告をもって代えることができる点もおさえておきましょう。
反対株主の株式買取請求
株式会社が株式の併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生ずる場合には、反対株主は、当該株式会社に対し、自己の有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる(182条1項)。
前項に規定する「反対株主」とは、次に掲げる株主をいう(182条2項)。
① 第180条第2項の株主総会に先立って当該株式の併合に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該株式の併合に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)
② 当該株主総会において議決権を行使することができない株主
株式の併合により、1株に満たない端数が生ずる場合、反対株主は、株式を買い取ることを請求することができます。反対株主について整理しましょう。まず、株主総会に先立って、株式の併合に反対する旨を通知し、かつ、株主総会で株式の併合に反対した株主です。次に、議決権を行使することができない株主は、通知等をしなくても反対株主となることができます。