商業登記法の登記手続から株式の併合について学習します。
株式の併合
株式会社は、株式の併合をすることができます。
(1)手続
① 併合の割合
② 株式の併合がその効力を生ずる日(効力発生日)
③ 株式会社が種類株式発行会社である場合には、併合する株式の種類
④ 効力発生日における発行可能株式総数
株式の併合をしようとするときは、株主総会の特別決議が必要になります。
効力発生日における発行可能株式総数は、効力発生日における発行済株式の総数の4倍を超えることができません。
(2)株券提供公告
株券発行会社は、次の各号に掲げる行為をする場合には、当該行為の効力が生ずる日(「株券提出日」)までに当該株券発行会社に対し当該各号に定める株式に係る株券を提出しなければならない旨を株券提出日の1箇月前までに、公告し、かつ、当該株式の株主及びその登録株式質権者には、各別にこれを通知しなければならない。ただし、当該株式の全部について株券を発行していない場合は、この限りでない(会社法219条1項)。
②株式の併合 全部の株式
株券発行会社は、株式の併合をする場合には、効力が生ずる日の1箇月前までに、株主等に対し、公告、かつ、通知をしなければなりません。
登記申請
(1)登記の事由
「株式の併合」とします。
(2)登記事項
年月日「変更」とし、「発行済株式の総数」「発行可能株式総数」を記載します。登記の事由は、株式の併合ですが、登記簿に記載される事項は、発行済株式の総数や発行可能株式総数なので注意しましょう。
(3)登録免許税
登録免許税は、申請1件につき3万円です(登録免許税法別表第1.24(1)(ツ))。
(4)添付書面
株主総会議事録を添付します(46条2項)。
また、株主リストの添付が必要になります(規則61条3項)。
さらに、株券提供公告をしたことを証する書面が必要となります(61条、59条1項2号)。株券発行会社でも現に株券を発行していない場合は、株式の全部について株券を発行していないことを証する書面を添付します。株券発行会社ではない場合は、書面は必要ありません。株券発行会社ではないことは、登記簿の記載からわかるからです。
代理人によって登記を申請するには、委任状の添付が必要になります(18条)。
(5)記載例
| 登記の事由 | 株式の併合 |
| 登記事項 | 令和◯年◯月◯日変更 発行済株式の総数 2000株 発行可能株式総数 6000株 |
| 登録免許税 | 3万円 |
| 添付書面 | 株主総会議事録 1通 株主リスト 1通 株券提供公告をしたことを証する書面 1通 委任状 1通 |