供託規則の総則について学習します。供託規則は、全6章で構成されています。今回は、その中で全体について定めている総則を見ていきましょう。
趣旨
供託規則は、金銭、有価証券、振替国債の供託に関する具体的な手続について定めています。
なお、振替国債とは、日本銀行が提供している国債の決済サービスのひとつです。国債の権利を帳簿上の振替によって移転させることなどができるようになっています。今は、株式も株券ではなく、電子的に管理しているので、その国債版だと考えればわかりやすいと思います。
参考:国債振替決済制度とは何ですか? : 日本銀行 Bank of Japan
記載の文字
供託書、供託物払渡請求書その他の供託に関する書面に記載する文字は、字画を明確にしなければならない(規則6条1項)。
金銭その他の物の数量を記載するには、アラビア数字を用いなければならない。ただし、縦書をするときは、「壱、弐、参、拾」の文字を用いなければならない(規則6条2項)。
記載した文字は、改変してはならない(規則6条3項)。
供託書、供託通知書、代供託請求書、附属供託請求書、供託有価証券払渡請求書又は供託有価証券利札請求書に記載した供託金額、有価証券の枚数及び総額面又は請求利札の枚数については、訂正、加入又は削除をしてはならない(規則6条6項)。
6項について、手続きを学んでいく中でわかりますが、これらの書面は供託所から交付され、日本銀行など外部に渡すことがあるため、訂正や加入、削除をしてはならないことになっています。一方、供託金払渡請求書など供託所に渡して完結するような書面については、訂正等が認められています。今は、漠然としたイメージになってしまいますが、訂正等をすることによって、書面が改ざんされる可能性があるかという視点がポイントになります。