司法書士法の公共嘱託登記司法書士協会について学習します。
設立及び組織
その名称中に公共嘱託登記司法書士協会という文字を使用する一般社団法人は、社員である司法書士及び司法書士法人がその専門的能力を結合して官庁、公署その他政令で定める公共の利益となる事業を行う者(以下「官公署等」という。)による不動産の権利に関する登記の嘱託又は申請の適正かつ迅速な実施に寄与することを目的とし、かつ、次に掲げる内容の定款の定めがあるものに限り、設立することができる(68条1項)。
① 社員は、その主たる事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域内に事務所を有する司法書士又は司法書士法人でなければならないものとすること。
② 前号に規定する司法書士又は司法書士法人が社員になろうとするときは、正当な理由がなければ、これを拒むことができないものとすること。
③ 理事の員数の過半数は、社員(社員である司法書士法人の社員を含む。)でなければならないものとすること。
公共嘱託登記司法書士協会(以下、「協会」)は、官公署等による不動産の権利に関する登記の嘱託または申請の適正かつ迅速な実施に寄与することを目的としています。このことから、商業登記は対象外になります。「協会は商業登記はできない」と覚える方は多いと思いますが、上記の目的から対象外となるということ、そもそも官公署等は商業登記をする必要がないという点までおさえると、理解しやすいと思います。
業務
協会は、第68条第1項に規定する目的を達成するため、官公署等の嘱託を受けて、不動産の権利に関する登記につき第3条第1項第1号から第5号までに掲げる事務を行うことをその業務とする(69条1項)。
1号から5号は、登記または供託の手続の代理、書類等の作成などです。反対にいうと、簡易裁判所における訴訟等の代理事務は対象外となります。