行政書士試験において、絶対に必要になるのが過去問題集です。本試験は、過去に出題されたのと同じ問題が出題されることもあります。そして、なにより本試験のレベルを知るために過去問を知っておくのは超重要です。この記事では、過去問の種類や活用方法について解説しています。
目次
行政書士試験の問題集と過去問集
行政書士試験の参考書シリーズには、「問題集」や「過去問題集」といったものがあります。たとえば、LECさんの「出る順」シリーズを例にすると、「合格問題集」「過去問題集」があります。
これらは厳密に使い分けがされているわけではありませんが、「問題集」は、過去問とオリジナル問題で構成されていて、基本書で学習した事項を復習するのが目的です。「過去問題集」は、名前のとおり過去問で構成されていて、本試験と同じ問題を解くことができます。
個人的には、問題集はやらず、最初から過去問をやって良いのではないかと思っています。
過去問題集の種類
過去問題集には、「科目別」「年度別」「肢別」の3種類があります。
科目別
科目別は、憲法、行政法、民法、商法など問題が科目別に並べられています。直前期の前までは科目別過去問を使うことで、学習の進度に合わせてアウトプットできます。
主な科目別問題集:『出る順行政書士 ウォーク問 過去問題集』(LEC)など
年度別
年度別は、本試験問題が年度別に並べられています。直前期は過去問を年度別に解くことで、本試験と同じ並びで体験することができます(これはやっておいた方がよいです)。
主な年度別問題集:『みんなが欲しかった! 行政書士の5年過去問題集』(TAC)など
肢別
肢別は、問題をそれぞれの肢ごとに分解して、科目別・体系別に並べたものです。いわゆる一問一答と呼ばれるタイプです。後述しますが、科目別問題集も肢別のように使うため、別途わざわざ肢別を使う必要性はないかなと思います。もちろん肢別問題集が好きな方は使ってもかまいません。
主な肢別問題集:『合格革命 肢別過去問集』(Wセミナー)など
過去問を使うときに注意したいこと
すべての肢を解こう
行政書士試験は、「妥当なものはどれか」「妥当なものの組合せはどれか」などといった形式で出題されます(誤っているものを選ばせる問題もあります)。
過去問を解くときは、正解がわかったときや組合せの消去法でわかったときも、必ずすべての選択肢を解くようにしましょう。過去問は、将来の本試験で出題される可能性がありますが、同じ肢(ア・イ・ウ・エ・オ)の組合せで出題されることはまずないからです。
また、普段から科目別の問題を肢別に解くことで、本試験ではどのような形式で出題されるかがわかるのと同時に肢別に問題を解くことで、より多く知識がインプットされることになります。
大切なのは回数ではない
過去問の話題になると必ず出てくるのが「過去問は何周やればいいですか」といった質問です。過去問を解くのは手段でしかありません。大切なのは過去問を解く回数ではなく、合格に必要な知識を理解し、本試験でそれを引き出せるかです。わからない問題は何度も解くようにしましょう。
過去問題集の上手な活用方法
①直前期前まで:科目別に解く
直前期前(2, 3か月前)までは、科目別過去問集を使いましょう。過去10年ほどの過去問集の場合、最低でも3周はして、そのあとはわからなかった問題だけを解くのもおすすめです。
②直前期:年度別に解く
直前期は、年度別過去問を使いましょう。本試験と同じ並び方の問題集を使うことで、時間配分や科目ごとの正答率なども測ることができます。1問あたりどれだけ使うか、多肢選択式や記述式、文章理解にどれだけ時間をかけるかといった作戦を立てておくのも必要です。
おすすめ過去問題集まとめ
ここでは、おすすめの過去問題集をまとめて紹介します。
個人的に、まずは科目別の「出る順」、そして直前期は年度別の「みん欲し」が良いと思います。余裕があってさらに演習量を積みたい方は、肢別問題集を足すと良いでしょう。
出る順行政書士 ウォーク問 過去問題集(LEC)
LECの『出る順行政書士 ウォーク問 過去問題集』は、過去10年分の本試験問題を科目別に収録しています。「①法令編」と「②一般知識編」2分冊になっています。
「ウォーク問」という名前のとおり、持ち運びしやすいB6サイズです(一回り小さい)。ここは好みが分かれるところですが、私は参考書と同じA5サイズが良かったかもです(笑)。
私は、LECさんの講座を使っていたこともあり、『ウォーク問』を使っていました。
みんなが欲しかった! 行政書士の5年過去問題集(TAC)
TACの『みんなが欲しかった! 行政書士の5年過去問題集』は、過去5年の本試験問題を年度別順に収録した過去問題集です。直前期は、本番と同じ形式になれるため、年度別の過去問は重宝します。
私は、直前期はこちらを使って、問題や科目あたりの所要時間や正答率などを計測していました。
行政書士試験過去問集(伊藤塾)
伊藤塾の『行政書士の肢別問題集』は、5年分の過去問題を収録した問題集です。伊藤塾の「うかる! 行政書士」シリーズで勉強している方は、直前期こちらを使うと良いでしょう。
合格革命 肢別過去問集(Wセミナー)
Wセミナーの『合格革命 行政書士 肢別過去問集』は、昭和63年から現在までの本試験問題の法令科目を科目別・体系別に並び替えた肢別過去問集です。
また、基本テキストから「過去問で出題されていない範囲」を1問1答式のオリジナル問題にまとめた『一問一答式 出るとこ千問ノック』もあります。
「合格革命」シリーズを使っている、または肢別が好きという方は、これらの過去問を活用すると良いでしょう。