行政書士試験は、3時間(180分)で全60問を解きます。単純計算すると1問あたり3分使えるので、時間が足りなくことはまずありません。しかし、行政書士試験は、択一式、多肢選択式、記述式、文章理解と出題形式や内容がさまざまなので、
そこで、ここでは行政書士試験の時間配分について書いてみたいと思います。
目次
時間配分の基本スタンス
時間配分の基本スタンスは、時間がかかりそうなら飛ばすです。問題と選択肢を見て正解が出せなそうなら(肢が切れなさそうなら)すぐ飛ばしましょう。まずは、60問目まで辿りつくのを目標にして、そのあとに時間がかかりそうな問題に着手しましょう。
ただ、試験は3時間あるので、多くの方は時間を持て余すと思います。まず1周して、次に時間がかかりそうな問題を解いて、全体を見直して、それでも時間が余るので、あまり心配する必要はありません。
行政書士試験の問題ごとの時間配分
問題1〜40:択一式(法令科目)
問題は、1問目から解いていくのが基本です。行政書士試験の1, 2問目は苦手な方が多い「基礎法学」が出題されます。最初でつまづくと精神的にダメージを受けるので、自分の得意な科目から解いていく、または少し見てわからなそうなら後回しにすると良いでしょう。
私は、問題を見てすぐには肢が切れそうにないと思ったら、上の画像のように、表紙に該当する問題の番号を書き出していました。1周したら、番号の書いてある番号を解いていきました。
問題の横に印を付けても良いのですが、それだと全体でどのくらいの数がわからないのか、問題用紙をめくらないと解消されたのかがわかりにくいため、一元管理するようにしています。
問題41〜43:多肢選択式
多肢選択式は、最初は飛ばしてしまうと良いでしょう。最後まで行ったらじっくり腰を据えて解くのをおすすめします。
問題44〜46:記述式
記述式も、最初は飛ばします。おそらく、多くの方にとって行政書士試験の中でもっとも時間をかける部分になると思います。
問題47〜60:択一式(一般知識等)
47問目から一般知識等科目が出題されます。ここはさらに2つのブロックに分けてみましょう。
- 問題47〜57:一般知識
- 問題58〜60:文章理解
47〜57問目は、法令科目の択一式と同じ要領で解いていきます。対策を立てるのが難しい分野なので、深入りは禁物です。わからなければ飛ばしましょう。
58〜60問目は、文章理解です。解きなれてきた文章理解も緊張状態ではミスをしがちです。一度飛ばして、2周目
流れのまとめ
これまでの流れをまとめてみましょう。
- 1問目から解きはじめる
- わからない問題は飛ばす
- 多肢選択式→飛ばす
- 記述式→飛ばす
- 一般知識→解く
- 文章理解→飛ばす
- 飛ばした問題を解く
- 見直す
これはあくまで一例です。
- 得意な科目から解きたい
- 1問ずつ解いていきたい
など、ご自身の思考に合わせてみてください。ただ、わからない問題に時間をとられてしまい、わかる問題に手が回らなかったということにならないように注意しましょう。
時間配分を知るための分析
年度別過去問を使う
時間配分といっても、ぶっつけ本番では不安です。かといって、数回の答練(模試)も心許ない感じがします。ということで、行政書士試験の過去問を使って分析してみましょう。
使うのは、年度別過去問です。多くの過去問題集は科目別に並んでいますが、『みんなが欲しかった! 行政書士の5年過去問題集』(TAC)は年度別に並んでいるので、普段は他の過去問を使って学習している方も、直前期は本書を買って練習するのをおすすめします(私も使っていました)。
その他、科目別の過去問集を裁断して年度別にまとめるという方法もありますが(電子レンジにかけると接着面のノリがはがれるのでかんたんに裁断できます)、時間がかかるので、できれば市販されているものを使いたいところです(年度別過去問がない資格の場合は仕方ないですが)。
所要時間を計算する
普段、過去問を解くときは、肢別に解いている方が多いと思いますが、年度別過去問を使って時間配分の検証をするときは、本試験と同じように消去法などを使いながら解いていきましょう。
スプレッドシート(表計算ソフト)などを使って以下のデータを集めてみましょう。
- 1問あたりの所要時間
- 1問ごとの正誤
1問あたりの所要時間がわかれば、そこから科目ごとや択一式、多肢選択式、記述式、文章理解などそれぞれの所要時間もわかります。分析をすることで、「択一式は1問あたりこのくらい時間がかかる」「記述式は5分くらいかかりそうだ」といったことがわかり、本番も焦らずに臨めます。
また、同時に正誤も確認しましょう。記述式を除いた57問の点数がとれているかを確認すれば、記述式でどのくらい点数が必要か、一般知識等はどのくらい点数がとれるかといったことがわかります。記述式の配点はブラックボックスですが、回答例を見ながら、配点を予想してどのくらい点数が取れていたかを予想するのも良いでしょう(タイトに点数をつけると本番がラクに感じるはずです)。
このようにミクロの視点で見ることで、自分の弱点および課題が見えてきます。今の自分は何が得意で何が弱いのか、どこをどうすればよいのかなど本番までに繰り返し分析してみましょう。
まとめ
行政書士試験における時間配分について見てきました。時間配分の準備をしておくと、本番中に無駄に焦ることがなくなり、平常心に近い状態で問題を解くことができるようになります。漠然とした不安に駆られている方は、時間配分を含めて目の前の課題をひとつひとつこなしていきましょう。