【民法】占有権の取得について、代理占有や占有の承継などのまとめ

民法
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民法の物権の占有権から占有権の取得について学習します。今回から占有権に入ります。

第2章「占有権」は全4節で構成されています。

  • 第1節 占有権の取得
  • 第2節 占有権の効力
  • 第3節 占有権の消滅
  • 第4節 準占有

試験対策上、必要な範囲でみていきましょう。

民法>物権>占有権>占有権の取得

占有権の取得

占有権は、自己のためにする意思をもって物を所持することによって取得する(180条)。

占有権は、自己のためにする意思をもって物を所持することによって取得します。

物権は大きく本権占有権に分かれます。本権は所有権とその一部が制限された制限物権(用益物権・担保物権)に分かれますが、いずれも物の使用・収益・処分の全部または一部をする権利があります。

一方、占有権は、自己のためにする意思をもって物を所持することによって取得します。物の占有という事実状態を保護する権利だと考えるとわかりやすいと思います。

代理占有

占有権は、代理人によって取得することができる(181条)。

占有権は、代理人によって取得することができます。たとえば、賃借人が建物を占有している場合、賃貸人は、賃借人を通して間接的に建物を占有することによって占有権を取得します。

以下、182条から184条は、動産の引渡しのところで解説しているので、条文だけ確認します。

現実の引渡し及び簡易の引渡し

占有権の譲渡は、占有物の引渡しによってする(182条1項)。

譲受人又はその代理人が現に占有物を所持する場合には、占有権の譲渡は、当事者の意思表示のみによってすることができる(182条2項)。

占有改定

代理人が自己の占有物を以後本人のために占有する意思を表示したときは、本人は、これによって占有権を取得する(183条)。

指図による占有移転

代理人によって占有をする場合において、本人がその代理人に対して以後第三者のためにその物を占有することを命じ、その第三者がこれを承諾したときは、その第三者は、占有権を取得する(184条)。

占有の性質の変更

権原の性質上占有者に所有の意思がないものとされる場合には、その占有者が、自己に占有をさせた者に対して所有の意思があることを表示し、又は新たな権原により更に所有の意思をもって占有を始めるのでなければ、占有の性質は、変わらない(185条)。

反対にいうと、占有者に所有の意思がないものとされる場合(他主占有)、占有者が、所有の意思があることを表示したときに、占有の性質が自主占有に変わるということです。

この条文だけだと何を言っているかわかりにくいですが、自主占有、つまり所有の意思をもつことによって、取得時効が成立する余地ができるということです。

占有の承継

占有者の承継人は、その選択に従い、自己の占有のみを主張し、又は自己の占有に前の占有者の占有を併せて主張することができる(187条1項)。

前の占有者の占有を併せて主張する場合には、その瑕疵をも承継する(187条2項)。

たとえば、相続により占有を承継した者は、自己の占有であるのみを主張して取得時効を援用することも、前の占有者である被相続人の占有を併せて取得時効を援用することもできます。

もっとも、前の占有者の占有を併せて主張する場合には、その瑕疵、たとえば、前の占有者が占有開始時に悪意であった場合は、取得時効が完成するまで20年必要になるということです。

占有の承継はこのような違いがあるという具体的なイメージを持つと理解しやすいと思います。

SOMEYA, M.

東京都生まれ。沖縄県在住。主に行政書士試験対策について発信しているブログです。【好き】沖縄料理・ちゅらさん・Cocco・龍が如く3

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