会社法の株式会社の機関から役員及び会計監査人の選任及び解任について学習します。
目次
第1款 選任
選任
役員等は、株主総会の決議によって選任します。
株式会社と役員等との関係
株式会社と役員等の関係は、委任に関する規定に従います。したがって、受任者である役員等は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負います(民法644条)。
取締役の資格等
次に掲げる者は、取締役となることができない(331条1項)。
① 法人
② 削除
③ 会社法等の罪を犯し、刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
④ 前号に規定する法律の規定以外の法令の規定に違反し、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。)
取締役の欠格事由について、会社法や金融商品取引法などの場合、執行を終わり、またはその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者は、取締役になることができません。一方、会社法関連のものではない法令違反の場合、2年という期間はありません。
今の時点では、取締役会は、3人以上の合議体であると考えておきましょう。
取締役の任期
取締役の任期は、原則2年です。
会計参与の資格等
会計参与は、取締役と共同して、計算書類等を作成します(374条1項前段)。かんたんにいうと、会計の専門家です。そのため、会計参与は、公認会計士、監査法人、税理士、税理士法人でなければなりません。なお、監査法人は、公認会計士の法人です。
会計参与の任期
会計参与の任期は、取締役の任期が準用されるので、2年になります。
監査役の資格等
監査役は、株式会社若しくはその子会社の取締役若しくは支配人その他の使用人又は当該子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは執行役を兼ねることができない(335条2項)。
監査役会設置会社においては、監査役は、3人以上で、そのうち半数以上は、社外監査役でなければならない(335条3項)。
監査役は、取締役の職務の執行を監査します(381条1項前段)。そのため、取締役等を兼ねることができません。また、監査役会設置会社では、監査役が3人以上、そのうち半数以上は、社外監査役でなければなりません。取締役会のように「会」がつく合議体は3人以上とおさえましょう。
監査役の任期
監査役の任期は、原則4年です。監査役は取締役の職務の執行を監査することが業務のため、取締役より任期が長くなっているのがポイントです。
会計監査人の資格等
会計監査人は、株式会社の計算書類等を監査します(396条前段)。会計参与が、取締役と一緒に計算書類等を作成するのに対して、会計監査人は、それらを監査します。このことから、会計監査人は、公認会計士または監査法人でなければなりません。参考までに、難易度だけでいうと、公認会計士の方が税理士より上になります。弁護士と行政書士のような立ち位置を想像するとわかりやすいと思います。
会計監査人の任期
会計監査人の任期は、選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする(338条1項)。
会計監査人は、前項の定時株主総会において別段の決議がされなかったときは、当該定時株主総会において再任されたものとみなす(338条2項)。
会計監査人の任期は、原則1年です。また、定時株主総会において別段の決議がされなかったときは、定時株主総会において再任されたものとみなされます。条文でも、「役員(取締役、会計参与及び監査役をいう。)及び会計監査人は、株主総会の決議によって選任する」(329条1項)として、役員と会計監査人を分けていることからわかるように、会計監査人は、他の役員とは違う立ち位置であるイメージを持つと理解しやすいと思います。
第2款 解任
解任
役員及び会計監査人は、いつでも、株主総会の決議によって解任することができる(339条1項)。
前項の規定により解任された者は、その解任について正当な理由がある場合を除き、株式会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる(339条2項)。
役員等は、株主総会の決議によって解任することができます。
第3款 選任及び解任の手続に関する特則
※省略