会社法について学習します。商法・会社法は、行政書士試験で5題出題されます。このうち、商法からは1題、会社法から4題出題されます。会社法は全部で1000条ほどあり、ここから4題しか出題されないということから、捨ててしまう受験生も少なくないようです。ただ、行政書士試験の会社法において出題される内容は基本的に限られているので、そこを学習すれば十分得点することができます。今回は、会社法の構成を見て、試験対策上、どこを学習すればよいか確認するところからはじめましょう。
会社法の全体像
会社法は全8編で構成されています。
- 第1編 総則
- 第2編 株式会社
- 第3編 持分会社
- 第4編 社債
- 第5編 組織再編
- 第6編 外国会社
- 第7編 雑則
- 第8編 罰則
このうち、行政書士試験で中心となるのは、第2編の株式会社です。また、株式会社の中でも、設立、株式、機関に出題は集中しています。これは、設立時の定款作成などの行政書士の実務を考えると、設立の手続や株式、機関の理解が求められるのはわかると思います。
また、商法・会社法は5題出題されますが、5問目、試験全体だと「問題40」は総合問題などが出題されることが多いため、ここは対策をするのが難しいところです。5問全問の正解を目指すのではなく、5問中4問の正解を目指すといった戦略が現実的といえます。
総則
第1編「総則」は、全4章で構成されています。
- 第1章 通則
- 第2章 会社の商号
- 第3章 会社の使用人等
- 第4章 事業の譲渡をした場合の競業の禁止等
総則は、会社法全体について定めているところであり、会社法では定義などが中心になります。
第1章 通則
趣旨
ここで、会社の設立などについては、会社法が一般法であることがわかります。
定義
2条は、会社などについての定義が34号にわたって定められています。ただ、いきなり定義だけを見ても暗記するだけになってしまうので、他の条文の中で出てきたときに確認します。
1号だけみておきましょう。
ここで、会社とは、株式会社、合名会社、合資会社、合同会社のことをいうことがわかりました。試験対策としては、株式会社が大半を占めるので、会社にはいくつか種類があるのだと捉えておきましょう。
法人格
住所
商行為
これまで商法を学習してきた方は、「商行為とする」の意味がわかると思います。商行為については、商法で言及しているので、ここでは割愛します。
第2章 会社の商号
商号
会社は、その名称を商号とする(6条1項)。
会社は、株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社の種類に従い、それぞれその商号中に株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社という文字を用いなければならない(6条2項)。
会社は、その商号中に、他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない(6条3項)。
会社は、株式会社などの種類に従い、株式会社なら商号の中に「株式会社」を用いなければなりません。また、他の種類の会社、たとえば合同会社なのに株式会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはなりません。
第3章 会社の使用人等
※省略
第4章 事業の譲渡をした場合の競業の禁止等
※省略
まとめ
会社法の総則について見てきました。会社法は全部で8編あり、このうち、行政書士試験の出題の中心となるのは、「株式会社」です。また、総則では、会社の設立などについては会社法が一般法となること、会社は、その名称を商号とすること、種類に従って「株式会社」などの文字を用いることが定められていました。次は、第2編以降に進みましょう。