今回のテーマは、環太平洋の島嶼国と観光客です。
それでは、実際に出題された問題を見てみましょう。
環太平洋の島嶼国・地域には、世界各地から観光客が来訪する。次の図4は、いくつかの国・地域における2019年の観光客数を出発地別の割合で示したものである。図4中のサ〜スは、グアム、ハワイ、フィジーのいずれか、凡例JとKはアジアとヨーロッパのいずれかである。
まず、観光客は、地理的に近い場所に行くというのを押さえましょう。また、過去にその国の植民地であったのように歴史的に関係のある国も、その国の観光客が多くなります。
グアムは、太平洋にあるアメリカ領です。アメリカからずいぶん遠い気がしますが、これは1898年の米西戦争、アメリカとスペインの戦争によって獲得しました。スペインからも遠いので、元々は旧スペイン植民地であることがわかります。
グアムは、アジアに近いことから、アジアの観光客が多くなります。今はそれほどではありませんが、バブルあたりからグアムに行く日本人が多かったということを、インターネットやテレビ、身近な大人を見ていて感じることがあるかもしれません。
参考:グアム政府観光局 | グアムのホテル、レストラン、イベント、アクティビティなど
ハワイは太平洋にあるアメリカの州です。アメリカ合衆国50番目の州で、ハワイ島、マウイ島、オアフ島などから構成されています。州都のホノルルがあるのはオワフ島です。
ハワイは、太平洋の中央、ポリネシアにあり、アメリカからの観光客が多くいます。その国の中で独自の文化があるというのは、日本で考えると沖縄が近いかもかもしれません。なお、グアムと並んでハワイも、日本人にとって人気の旅行先のひとつです。
参考:ハワイ州観光局 – ハワイの旅行情報 | Go Hawaii
フィジーは、オセアニアのうちメラネシアにある共和国です。オセアニアに近いことから、オセアニア周辺の観光客が多くなります。
参考:フィジー共和国|外務省
最後に、すでに名前が出ているタヒチについても見ておきましょう。タヒチは、フランス領です。1800年代に植民地となり、現在はフランスの海外領土とされています。このことから、フランスやヨーロッパからの観光客が多くなります。
参考:タヒチ観光局 | ボラボラ島、タヒチ島、モーレア島、フランス領ポリネシアの島々
これらの情報を参考に、問題を見てみましょう。
まず、選択肢がわかっているものから見てみると、シはアメリカからの観光客がもっとも多いので、ハワイだとわかります。また、ハワイはアジアからの観光客も多いので、Jはアジアということが予想できますが、一旦保留しておきましょう。
次は、スは、オセアニアからの観光客が多いので、フィジーであることがわかります。
JとKは、どちらがアジアとヨーロッパでしょうか。ここで、タヒチを見てみると、北アメリカとKが多いことがわかります。タヒチはフランス領のため、フランスを含めたヨーロッパからの観光客が多くいます。そのため、Kがヨーロッパ、Jがアジアであることがわかります。
そうすると、サは、圧倒的にアジアが多いグアムで正しいことがわかります。