今回のテーマは、食肉の生産量に占める輸出量の割合です。
それでは、実際に出題された問題を見てみましょう。
後の図4は、いくつかの食肉について、世界に占める生産量が1%以上の国・地域における生産量に占める輸出量の割合を示したものである。図4中のA〜Cは、牛肉、鶏肉、羊肉のいずれかである。正しい組み合わせを選ぶ問題です。
まず、牛肉は、南北アメリカやオセアニアに集中しています。スーパーで精肉の買物をしたことがある方はわかるかもしれませんが、アメリカ産の牛肉が多いことがわかります。また、オーストラリア産の牛肉は「オージービーフ」と書かれており、日本に多く流通しています。なお、「オージー」とは「オーストラリアの」という意味です。そして、インドは、ヒンドゥー教の方が多く、ヒンドゥー教では牛は神聖な動物とされるため、肉牛は少なくなります。しかし、水牛は多く、輸出しています。
次に、鶏肉は、ブラジルやトルコで多く輸出されます。ブラジルは、トウモロコシや大豆の生産量が多く、これらを飼料にするため、鶏肉が多く生産されます。トルコといえば、牛肉や鶏肉などを使ったケバブが有名です。また、七面鳥をターキーと呼ぶことから、トルコを結びつけると覚えやすいと思います。なお、厳密には、トルコから入ってきたのはホロホロ鳥らしいですが、ここでは省略します。
最後に、羊肉は、オーストラリアやニュージランドなど、寒冷で牧草地が豊富な地域が主な産地です。日本では、北海道のジンギスカンが有名です。また、中国では東北料理に羊肉が多く使われています。さらに、羊は、乾燥にも強いため、インドや中東などでも多く飼育されています。こう考えると、羊は、寒冷地から乾燥地まで幅広い地域で飼育されているといえます。
これらの情報を参考に問題を見てみましょう。
Aは、オーストラリアやニュージランド、ロシアで多く、また、インドでも多いことから、羊肉であることがわかります。
Bは、オーストラリア、アメリカ、インドで多いことから、牛肉であることがわかります。この資料では、「牛肉には、水牛、ヤクなどの肉を含む。」ことに注意しましょう。
Cは、ブラジルやトルコに多く分布しているため、鶏肉であることがわかります。