【労働安全衛生法】監督等について、計画の届出等(時期・届出先)などのまとめ

労働安全衛生法
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労働安全衛生法の監督等について解説します。計画の届出等は、混乱しやすい部分なので、ひとつずつ整理していきましょう。

計画の届出等

・事業者は、機械等で、危険若しくは有害な作業を必要とするもの危険な場所において使用するもの又は危険若しくは健康障害を防止するため使用するもののうち、厚生労働省令で定めるものを設置し、若しくは移転し、又はこれらの主要構造部分を変更しようとするときは、その計画を当該工事の開始の日の30日前までに、厚生労働省令で定めるところにより、労働基準監督署長に届け出なければならない(88条1項本文)。

→厚生労働省令で定めるものは、特定機械等です(規則85条)。危険な若しくは有害な作業を必要とするものなどの設置等をするときは、危ないので労働基準監督署長に届け出ることになっています。

・事業者は、建設業に属する事業の仕事のうち重大な労働災害を生ずるおそれがある特に大規模な仕事で、厚生労働省令で定めるものを開始しようとするときは、その計画を当該仕事の開始の日の30日前までに、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に届け出なければならない(88条2項)。

→建設業のうち、重大な労働災害を生ずるおそれがある特に大規模な仕事を開始しようとするときは、厚生労働大臣に届け出ることになっています。特定機械等のときは労働基準監督署長でしたが、重大な労働災害を生ずるおそれがある特に大規模な仕事の場合は、届出先が厚生労働大臣になっていることに注意しましょう。なお、どのくらいの規模のものが該当するかというと、高さが300メートル以上の塔の建設の仕事、最大支間500メートル以上の橋梁の建設の仕事、長さが3000メートル以上のずい道等の建設の仕事などが規則で定められています(規則89条)。具体的な仕事を覚える必要はありませんが、イメージとして押さえておきましょう。

・事業者は、建設業その他政令で定める業種[土石採取業]に属する事業の仕事(建設業に属する事業にあっては、前項の厚生労働省令で定める仕事を除く。)で、厚生労働省令で定めるものを開始しようとするときは、その計画を当該仕事の開始の日の14日前までに、厚生労働省令で定めるところにより、労働基準監督署長に届け出なければならない(88条3項、政令24条)。

→先ほどは、30日前までに厚生労働大臣に届け出ることになっていたのに対し、今回は14日前までに労働基準監督署長に届け出ることになっています。規模が小さくなっているのがわかります。厚生労働省令で定めるものとしては、高さ31メートルを超える建築物等の建設等の仕事、最大支間50メートル以上の橋梁の建設等の仕事、ずい道等の建設等の仕事などがあります(規則90条)。どれも、先ほどより規模が小さくなっているのがわかります。

括弧書きで「(建設業に属する事業にあっては、前項の厚生労働省令で定める仕事を除く。)」となっているのは、2項に当てはまるものは、必然的に3項にも当てはまるためです。30日前までに厚生労働大臣に届け出ているのなら、労働基準監督署長への届け出は不要ということです。

さて、ここまでを整理しましょう。基本書では、労働基準監督署長、厚生労働大臣、30日前、14日前のように羅列されていて、かつ、表で見ると届出先がズレているので、暗記しにくい部分だと思います。

まず、ここは大きく、1項の特定機械等のことなのか、2項と3項の建設業等の仕事のことなのかを分けて考えます。1項の特定機械等のときは、30日前までに労働基準監督署長に届け出ます。労働災害が起きるおそれがあるので労働基準監督署長に知らせておく、これが基本です。

次に、2項と3項の建設業等のときについては、特に大規模な仕事のものは、30日前までに厚生労働大臣に届け出ます。重大な労働災害を生ずるおそれがあるため、届出先が厚生労働大臣になります。そして、そこまでの規模ではない仕事のものは、14日前までに労働基準監督署長に届け出ます。届け出る時期や届出先のスケールが小さくなっているのがわかります。

労働基準監督官の権限

・労働基準監督官は、労働安全衛生法を施行するため必要があると認めるときは、事業場に立ち入り、関係者に質問し、帳簿書類その他の物件検査し、若しくは作業環境測定を行い、又は検査に必要な限度において無償製品原材料若しくは器具収去することができる(91条1項)。

労働者の申告

・労働者は、事業場に労働安全衛生法又はこれに基づく命令の規定に違反する事実があるときは、その事実を都道府県労働局長労働基準監督署長又は労働基準監督官に申告して是正のため適当な措置をとるように求めることができる(97条1項)。

・事業者は、申告をしたことを理由として、労働者に対し、解雇その他不利益な取扱いをしてはならない(97条2項)。

使用停止命令等

・都道府県労働局長又は労働基準監督署長は、労働者の危険又は健康障害を防止するための措置に違反する事実があるときは、その違反した事業者注文者機械等貸与者又は建築物貸与者に対し、作業の全部又は一部の停止建設物等の全部又は一部の使用の停止又は変更その他労働災害を防止するため必要な事項を命ずることができる(98条1項)。

・都道府県労働局長又は労働基準監督署長は、前条第1項の場合以外の場合において、労働災害発生の急迫した危険があり、かつ、緊急の必要があるときは、必要な限度において、事業者に対し、作業の全部又は一部の一時停止建設物等の全部又は一部の使用の一時停止その他当該労働災害を防止するため必要な応急の措置を講ずることを命ずることができる(99条1項)。

報告等

・厚生労働大臣、都道府県労働局長又は労働基準監督署長は、労働安全衛生法を施行するため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、事業者労働者機械等貸与者建築物貸与者又はコンサルタントに対し、必要な事項を報告させ、又は出頭を命ずることができる(100条1項)。

参考:労働基準監督官の仕事 |厚生労働省

SOMEYA, M.

東京都生まれ。沖縄県在住。社会保険労務士試験対策について発信しているブログです。【好きなもの】沖縄料理・ちゅらさん・Cocco・龍が如く3

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