【司法書士】暗記本(まとめ本)についての考察とレビュー(ケータイ司法書士、うかる)

コラム

今回は、司法書士試験の暗記本(まとめ本)についてお話したいと思います。

司法書士試験の学習範囲は膨大です。そして、特に直前期には学習範囲の絞り込みが重要になります。そこで、活用したいのが暗記本です。ここでは、暗記本のシリーズの特徴と個人的な意見をお伝えします。

ケータイ司法書士

LECの森山先生による「ケータイ司法書士」です。私は、最初「合格ゾーン」シリーズを使って司法書士の学習を始めましたが、著述のレベル感が合わず、「ケータイ司法書士」講座を受けることにしました(現在、森山先生の著作をベースとするものは「Vマジック攻略講座」のようです)。

LECさんの「合格コース」ではなく、「ケータイ司法書士」の講座にしたのは、変更した時点でまったくの初学者のレベルではなかったため、費用を考慮した結果です(各予備校が提供する司法書士のフル講座は50万円くらいします)。

ということで、「ケータイ司法書士」を中心にインプットをし、講義だけでは理解できない部分は、森山先生の講義を再現した「Vマジック」シリーズを使って学習しました。

  • ケータイ司法書士I : 民法
  • ケータイ司法書士II : 不登法・供託法・司法書士法
  • ケータイ司法書士III : 会社法・商法・商登法
  • ケータイ司法書士IV : 民訴系3法・憲法・刑法
  • ケータイ司法書士V : 記述ひな形 不動産登記
  • ケータイ司法書士VI : 記述ひな形 商業登記

ケータイ司法書士は、「合格するために、本当に必要な知識に絞り込んだもの」です。まず、左ページで基本知識をインプットして、次に、右ページで過去問等を解いてアウトプットします。

何十周もして、テキストはボロボロになり、メモをたくさん挟んで膨らんで、音声も早朝のランニング時、移動時間、部屋にいる時間などに繰り返し聴き、どのタイミングで何を言うか再現できるくらい、一年間でご家族の方の次くらいに森山先生の声を聴いていたのではないかというくらい、聴きました。

枝葉末節なことにこだわらず基本を大切にすること、誠実に勉強すること、最後の講義(記述ひな形の商業登記法)の最後に少し話してくれた部分は、今もどの科目を学習するときも大切にしています。

もちろん、さまざまな価値観がありますし、暗記本はこれだけではないですが、もし私の記事(YouTubeチャンネル)の雰囲気と相性が合う方なら、間違いなくおすすめできます。

うかる! 司法書士 必出3300選

伊藤塾の「うかる! 司法書士 必出3300選」シリーズです。高橋先生が中心となっていて、これも良いシリーズだと思います。よく「ケータイ司法書士」と比較されているのを見かけます。

  • うかる! 司法書士 必出3300選[1]民法編
  • うかる! 司法書士 必出3300選[2]不動産登記法編
  • うかる! 司法書士 必出3300選[3]会社法・商法・商業登記法編
  • うかる! 司法書士 必出3300選[4]憲法・刑法・民訴・民執・民保・書士・供託法編

レイアウトは、圧倒的に「うかる」シリーズの方が見やすいです。「ケータイ司法書士」は、小型にしているため、どうしても改行などレイアウト面を犠牲にしなければならず、その点、「うかる」シリーズは、テキストは余裕があり、図や表もふんだんに使っています(私はメモで図や表を作りました)。

一方、毎年改訂されているのは、「ケータイ司法書士」です。「うかる」シリーズは、現時点で第3版まで出ており、大きな変更点はありませんが、法改正が気になる方は難しいかもしれません。

高橋先生も伊藤塾長と対談している動画などを見ていて、素敵だなと思います。

私は、この2つのシリーズに関しては好みの問題だと思います。一気に全部そろえると、1万円くらいかかるので、まず立ち読みで迷う場合は、両シリーズを1冊ずつ買ってみて、実際に使ってみるのをおすすめします。その上で、「こちらの方が自分に合っている」というものを選べばよいと思います。

私自身、「ケータイ司法書士」を使って学習しましたが、「うかる!」シリーズが悪いとは思いませんし、伊藤塾さんならではの基礎を大切にした編集はすばらしいと思います。

司法書士 直前チェック 必修論点総まとめ

早稲田セミナーの講師だった竹下先生による「司法書士 直前チェック」です。現在は、早稲田セミナーの講師は引退されているようなので、今後、改訂されないかもしれません。

  • 司法書士 直前チェック 必修論点総まとめ(1) 民法(1)(総則・債権)
  • 司法書士 直前チェック 必修論点総まとめ(2) 民法(2)(物権)
  • 司法書士 直前チェック 必修論点総まとめ(3) 民法(3)(親族・相続)
  • 司法書士 直前チェック 必修論点総まとめ(4) 不動産登記法
  • 司法書士 直前チェック 必修論点総まとめ(5) 会社法・商法・商業登記法
  • 司法書士 直前チェック 必修論点総まとめ(6) 民事訴訟法・民事執行法・民事保全法
  • 司法書士 直前チェック 必修論点総まとめ(7) 憲法・刑法
  • 司法書士 直前チェック 必修論点総まとめ(8) 供託法・司法書士法

司法書士試験の膨大な試験範囲の要点をまとめるという点において、先駆けであったことはたしかです。ただ、論点を網羅しようとするあまり、8冊のため、「ケータイ司法書士」や「うかる」と比較して、使い勝手に差が出る点は否めません。

私も本シリーズは検討したことがあるのですが、設問方式などの点において、自分には合わないように感じたため、「ケータイ司法書士」を選ぶことにしました。

まとめ

司法書士試験の暗記本(まとめ本)を紹介しました。現時点においては、「ケータイ司法書士」または「うかる」シリーズから選ぶのが現実的といえます。どちらかを選ぶために、もう一方を批判する必要はありません。自分にとって合う方を選ぶ、使っていて合わないと感じたら別のものを選ぶといった方法で学習を進めていけばよいと思います。

次回の本試験、暗記本をボロボロになるまで使い込んで臨みましょう。

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。

SOMEYA, M.

東京都生まれ。沖縄県在住。司法書士試験対策について発信しているブログです。【好きなもの】沖縄料理・ちゅらさん・Cocco・龍が如く3

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