【民事訴訟法】抗告について、即時抗告や原裁判所等による更正などのまとめ

民事訴訟法

民事訴訟法の抗告について解説します。抗告は、裁判所の決定・裁判官の命令に対する上訴です。

上訴>抗告

抗告をすることができる裁判

口頭弁論を経ないで訴訟手続に関する申立てを却下した決定又は命令に対しては、抗告をすることができる(328条1項)。

再抗告

抗告裁判所の決定に対しては、その決定に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があること、又は決定に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があることを理由とするときに限り、更に抗告をすることができる(330条)。

判決に対して、控訴、上告があったように、決定に対しては、抗告、再抗告があります。

控訴又は上告の規定の準用

抗告及び抗告裁判所の訴訟手続には、その性質に反しない限り、第一章[抗告]の規定を準用する。ただし、前条の抗告及びこれに関する訴訟手続には、前章の規定中第二審又は第一審の終局判決に対する上告及びその上告審の訴訟手続に関する規定を準用する(331条)。

条文だと難しく感じますが、抗告は控訴の規定が準用され、再抗告は上告の規定が準用されるということです。控訴や上告の規定の準用がそのまま出題されることは少ないですが、民事保全法を学習するときにどのような仕組みになっているのかを知っておいた方がよいため、言及しました。

即時抗告期間

即時抗告は、裁判の告知を受けた日から1週間の不変期間内にしなければならない(332条)。

抗告には、通常抗告即時抗告があります。先ほどの抗告と再抗告は、1回目と2回目の抗告を分けるもので、今回の通常抗告と即時抗告は、抗告の種類を分けるものです。

通常抗告は、訴訟手続に関する申立てを却下した決定または命令に対して、いつでもすることができます。一方、即時抗告は、裁判の告知を受けた日から1週間以内にしなければならず、個別に認められたものがすることができます。たとえば、「移送の決定及び移送の申立てを却下した決定に対しては、即時抗告をすることができる。」(21条)などがあります。

原裁判所等による更正

原裁判をした裁判所又は裁判長は、抗告を理由があると認めるときは、その裁判を更正しなければならない(333条)。

ここで、先ほどの準用の知識が活用できます。抗告をする場合、抗告状を第一審裁判所に提出します(331条、286条)。このとき、原裁判所(第一審で決定をした裁判所または裁判長)は、抗告を理由があると認めるときは、つまり、抗告をした人の言い分が正しいと認めるときは、その裁判を更正しなければなりません。原裁判所が自ら更正することで、民事訴訟を迅速に行えるようになります。

参考:抗告の手続 | 裁判所

原裁判の執行停止

抗告は、即時抗告に限り、執行停止の効力を有する(334条1項)。

抗告は、原則として、執行停止の効力はありません。一方、即時抗告は、1週間以内にする必要がある分、執行停止の効力を有します。反対に言うと、即時抗告は、執行停止の効力を有するため、1週間以内にしなければならないと考えることができます。

SOMEYA, M.

東京都生まれ。沖縄県在住。司法書士試験対策について発信しているブログです。【好きなもの】沖縄料理・ちゅらさん・Cocco・龍が如く3

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