司法書士法の総則について学習します。司法書士法は、1問出題されます。不動産登記法や商業登記法など難しい科目が多い午後の部では、ぜひ正解しておきたいところです。
司法書士法は、全11章で構成されています。基本的には条文を覚えればよく、理解が難しいところは少ないですが、甘く見ると失点してしまいます。
司法書士の使命
1条では、司法書士の使命が規定されています。また、主な業務として登記、供託、訴訟などがある点をおさえておきましょう。
職責
品位を害するおそれがあるというのは、このあとに出てくる登録の拒否事由にもなります。
業務
司法書士は、この法律の定めるところにより、他人の依頼を受けて、次に掲げる事務を行うことを業とする(4条1項)。
① 登記又は供託に関する手続について代理すること。
② 法務局又は地方法務局に提出し、又は提供する書類又は電磁的記録を作成すること。
③ 法務局又は地方法務局の長に対する登記又は供託に関する審査請求の手続について代理すること。
④ 裁判所若しくは検察庁に提出する書類又は筆界特定の手続において法務局若しくは地方法務局に提出し若しくは提供する書類若しくは電磁的記録を作成すること。
⑤ 前各号の事務について相談に応ずること。
⑥ 簡易裁判所における手続について代理すること。ただし、上訴の提起(自ら代理人として手続に関与している事件の判決、決定又は命令に係るものを除く。)、再審及び強制執行に関する事項については、代理することができない。
以下省略
簡裁訴訟代理等関係業務は、次のいずれにも該当する司法書士に限り、行うことができる(4条2項)。
① 簡裁訴訟代理等関係業務について法務省令で定める法人が実施する研修であって法務大臣が指定するものの課程を修了した者であること。
② 前号に規定する者の申請に基づき法務大臣が簡裁訴訟代理等関係業務を行うのに必要な能力を有すると認定した者であること。
③ 司法書士会の会員であること。
司法書士の主な業務のひとつは、登記や供託に関する手続の代理です。おそらく、多くの方にとって司法書士の業務といったときに思い浮かべるのがこれらだと思います。また、登記等の相談に応ずることもできます。そして、簡易裁判所における手続もすることができます。この簡裁訴訟代理等関係業務は、いわゆる認定司法書士のみが行うことができます。
欠格事由
次に掲げる者は、司法書士となる資格を有しない。
① 拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなってから3年を経過しない者
② 未成年者
③ 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
④ 公務員であって懲戒免職の処分を受け、その処分の日から3年を経過しない者
⑤ 業務の禁止の処分を受け、その処分の日から3年を経過しない者
⑥ 懲戒処分により、公認会計士の登録を抹消され、若しくは土地家屋調査士、弁理士、税理士若しくは行政書士の業務を禁止され、又は税理士であった者であって税理士業務の禁止の懲戒処分を受けるべきであったことについて決定を受け、これらの処分の日から3年を経過しない者
欠格事由で年数制限があるものは、3年とまとめておさえておきましょう。また、他資格の懲戒処分については、周辺資格をおさえておきましょう。それほど狙われるところではありませんが、たとえば弁護士、社労士などは士業でも対象外となっています。
第2章「司法書士試験」については省略します。続いて、第3章「登録」に進みましょう。